月水晶５【S.S】 (ページ19)

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先生の家に連れられる。
あれから1回引っ越したらしく、私は初めて入る。
5階だった。

玄関の鍵が閉まる音を聞いた途端、苦しいぐらいに抱きしめられる。
そして息つく暇がないほどの接吻。
被っていた帽子が落ちる。

先生の唇と舌の感触は気持ち良くて、キスだけでどこかへいってしまいそうだった。

サンダルがいつのまにか脱がされて、頭が働かないままベッドに導かれ、沈む。

先生の吐息とキスが顔から下がっていく。
たまらずに私は先生と呼ぶ。

「名前……」

「えっ？」

「名前で呼んでよ。俺はAって呼んでるのに」

尖る唇。
私はその唇にキスする。

「……翔さん？」

初めて名前を口にしただけで好きの気持ちが広がる。

「……可愛い」

たくさんキスを受ける。

好きで好きでどうしようもなかった人からの言葉で胸が一杯になる。

「好きだ。……世界中の誰より」

「翔さん……愛を下さい」

あのときと同じことを口にする。

「いいよ」

甘いキス。

「いくらでもあげる。……だから俺にも頂戴」

至近距離で言われる言葉で私は幸せだ。

「A……」

「翔さん……」

深く深く入っていく。
愛する人からの愛で、吐息で、音で溶かされる。

果てた後、熱い熱い腕の中で私はただただ幸せだった。

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