１５８ ページ18
・
「櫻井先生」
繋がれた手に力を入れる。
「私と先生はどうなるのが正解なのでしょうか？」
「……飯塚？」
「私は……今でも先生が好きです。他の人と付き合ったこともあったけど駄目でした。……愛してるんです、先生を。
先生が傍にいなくても今まで頑張れたし、これからも頑張れると思います。だけど私はあなたの傍にいたいんです」
真っ直ぐに言の葉をぶつける。
「……A」
そう呼ばれたかと思ったら、繋がれた手を引っ張られて抱きしめられた。
「……これが正解」
頭の上にその声が降り注ぐ。
「……俺、臆病だから。雪乃みたいに大切だと思う人がまた出来たとしても失うのが嫌だった。
……それにお前は芸能人だから、俺じゃない誰かの方が相応しいと思ってた。……だから卒業式のとき突き放した。……ごめん」
私は先生の腕の中で首を横に振る。
「自分から手を離したくせに、ずっと会いたかった。また会えたときは柄にもなく運命だと思った。
……でもまた俺がチキンだから、言いたいことを言えずじまいで、ここまで過ごしちゃって、お前に言わせた。……ヘタレだよね」
「……先生」
先生の顔が見たくて顔を上げようとするもきつく抱きしめられる。
「ずっと言わなくてごめん。……俺は、Aのことが好きだよ」
「…………」
聞けないと思ってた言葉を頭で理解した途端涙が出てくる。
「俺の方こそお前の傍にいさせてよ。で、ずっと一緒にいて。離れないで。俺も二度と突き放したりしないから」
先生の腕から少し解放されて、彼の顔が見える。
優しい瞳に私だけが映る。そして。
サンセットをバックに甘いキス。
信じられない気持ちでフワフワする。
「……さっき他の人と付き合ったって言ったよね」
「言いました」
「誰？」
「個人名は差し控えますけど同業者です。ちなみに潤くんや二宮くんじゃないです」
「気になるけど……いいや」
「えっ？」
「Aのこれからは俺だから」
先生が照れたように言うから私も赤くなってしまう。
「明日仕事は？」
「……午後からです。先生は？」
「俺は金土日の3連休だから心配ないよ」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 249人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユタカ | 作成日時：2018年10月17日 9時
