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「Aとはさ、５人の中で一番付き合い長いでしょ。友達になってからずっとAを見守ってきた自負はあるよ。だから余計Aには幸せになってもらいたいと思うんだよね」
私より背の高い雅紀。
小学３年のときに同じクラスになって、そこからなぜだか馬が合って一緒に遊ぶようになった。
そこからもなぜだか縁があって、今に至る。
雅紀はずっと彩華のことが好きだった。
松本との恋に破れた彩華の心を癒してくれればと思った。
私は雅紀と彩華の幸せを祈っていた。
そして二人が両想いになった。
二人が幸せになってくれて私は嬉しかった。
皆の幸せが私の幸せなんだから。
「……ごめんね、こんな話して。家、着いたからじゃあね！」
謝る要素は一つもないのにね。
「じゃあね」
一方で、自分はこのままでいいのかとぼんやりと思い始める。
私はどこへ向かえばいいのだろう―――。
夕焼け色に染まる空を見ながらそう思った。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2017年9月13日 11時
