Gypsophila２【K.N】 (ページ3)

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２８　Side Kazunari ページ3

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夏音を全部知らないくせに、よく判断できるな。
一面的にしか見てない。
悪いけど、夏音の興味のない人は一生興味を持たれないと考えた方がいい。
あいつ人を見る目はいいから、そういった人前で悪口を言うような奴とかは嫌いだし、見破る。
だから興味の範疇外の人とは極力関わらない。
それがお高く止まってると思われているのだろう。

姫というあだ名は周りが勝手につけたのであって、当の本人は自分を姫だとは思っていない。
その原因は多分俺らの夏音への接し方だとは思うけど。

夏音の傍に俺や相葉さんがいたのは、俺らが勝手にしたこと。

夏音は自分が可愛いことを自覚してない。
翔ちゃんに可愛い可愛い言われて戸惑ってるぐらいだ。

とにかく心外だった。
物事は捉えようでえらい変わる。

「おい、村山」

俺にこんな声出させないでくれる？

村山は俺の方を向く。
綺麗に口角が上がっていた。
何で？

「あいつのこと、よく知りもしないで悪口言うのやめてもらえる？」

俺がこう言うと、村山はさらに近寄ってきた。

俺の嫌いな匂いがする。

「高校の時から思ってたんだけど……」

その声は耳元にスッと入ってくる。

「二宮くんって桜井さんのこと好きよね？今でも」

「……で？お前の目的は何？」

顔が近い。
だから辺りがざわつく。

俺は否定も肯定もしなかった。
こんな奴に俺の長年引きずっている想いを見せてたまるか。

「そんなのここで言えるわけないじゃない」

何でそんな勝ち誇ったような顔をする。

「二宮くん４限空いてるでしょ？私もなの。……後でゆっくり話しましょう」

フフッと耳元で笑われる。
嫌な予感しかしない。

周囲がざわつく中、先生が入ってきた。
そこでやっと騒ぎがマシになり、俺は近くの席にストンと座る。

何話してたんだよと同じ学科の奴に言われたけど、答えなかった。
その授業は右から左へと抜けた。

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