Gypsophila２【K.N】 (ページ18)

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掴まれた手首をグイグイ引っ張って離してくれない。
むしろ痛みが増す。

「番田さん処女でしょ？」

「…………」

デリカシーの欠片もない。
興味のない人は嫌いな人に陥落した。

「優しくするから……おいで」

耳元で囁かれる。
虫唾が全身に走り、気分が悪い。

グイグイ引っ張られて、足で踏ん張ろうとするも足が空を切る。

「やめて！高橋くん！嫌っ！」

目の前が涙で滲む。

もう嫌だ……。

「ハイハイ、ちょっとタンマ」

掴んだ腕と掴まれた腕以外に伸びる色白い腕。
横を見たら……。

「和也……」

「なんだよ、二宮」

「悪いけど、この子返してもらえます？この子に何かあるとさ、俺始め、ダチたちが黙ってないよ」

普段聞かない低さが和也から出る。

「男ならさ、テクで女誘いなよ」

和也は私と高橋にしか聞こえないような音量で言った。

「くそっ……！」

高橋は私の手首を叩きつけるように離して、どしどしと駅の方へ歩いていった。

「Aさー……」

「…………」

なぜか和也の顔が見られなかった。
仲間にはこんな所を見られたくなかった。

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