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それから一週間以上経った。
担任の松本が教室に入って来て、ショートホームルームが始まる。
彼は出席を確認して、出席簿に書き入れていく。
私は自然と左斜め後ろの席を見た。
「はい。今日も特に連絡事項はなし。皆勉強頑張れよー」
そう言って爽やかな笑みを浮かべて、松本は２−３の教室を出て行く。
１時間目の授業の教科書をスクールバッグから出そうとしたときに一人の男が私の机の前に立った。
「おっす、A」
欠伸をしながら、こう挨拶してきた男は二宮和也。
彩華同様、小学校からの付き合いがある。
「おっす、じゃないでしょ。ショートホームルーム遅刻して」
「だって朝からJの濃い顔見たくないもの」
「そんなこと言って……」
「1時間目何？」
「現代文」
「あー翔ちゃんか」
和也はこのように教師を自由に呼び、普段はマイペースでいい加減なのに要領が良くて、いざってときに頼りになるという長い付き合いでもよく分からない男だ。
「ニノーおはよ」
こう明るく言ってきたのは相葉雅紀。彼とは中学から一緒で和也とは良いコンビだ。
「ニノまた遅刻じゃない。夜遅くまでゲーム？」
「そういう雅紀も遅刻ギリギリだったじゃん。教室に来たの松本先生のちょっと前だったでしょ」
そう言ってクスリと笑ったのは番田美玖。
彼女とも中学からの付き合いだ。
「でも遅刻してないからいいの！……あれA、１時間目なんだっけ？」
「現代文だよ。さっきの和也とAの話聞いてなかったの？」
彩華も私の机の周りにやって来た。
この4人がいるおかげで私は存在している。
「あそこのグループ、顔面偏差値高いよねー」
「イケメンの相葉くんと二宮くん」
「長野さんは可愛い系、番田さんは美人系だよねー」
「そして何と言っても桜井さん！あのグループのお姫様って感じだよね」
クラスの中で遠巻きに私たちを見ている人達の声が聞こえる。
もうちょっとボリュームを下げて欲しいところだ。
SHRから1時間目までそんなに時間がないので、そうこうしているうちに櫻井先生が来て、現代文の授業が始まる。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2016年12月16日 11時
