病んでた。【d!】

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それから、俺はあの人を知りたくなった。
あの日あの時、空を見上げ幻想的に微笑んだ彼女のことを。
まずは、彼女の名前を知ることにした。
彼女と出会うことは滅多に無かった。しかし、俺は出会った。きっと運命だから、神様が引き合わせてくれたのだ、なんて。

彼女の名前を聞くには、俺は他人すぎた。
仕方がなく彼女についていき、遂に家を突き止めた。アパート住みなのか、成る程。
彼女はお隣に住んでいる人と会話している中で、A、と呼ばれていた。なんと可愛らしい響き。ぴったりな名前だ。
彼女、否Aをストーキングすることに味をしめた俺は、もっとAのことが知りたくなった。
好きなこと、好きなもの、好きな色。
嫌いなこと、嫌いなもの、嫌いな色。
家族構成出身地学歴年齢恋愛経験。
知れば知るほどより魅力的になって、遠くから見ているだけじゃ満足できなくなった。


そして、遂にAの隣に越してきた。
Aが今の家に満足していることは確認済み。そして好きなタイプも確認済み。
隣への挨拶、と評しAに会った。やっぱり可愛かった。

「あ、ひ、引っ越してきたゾムって、言います。
えと、お近づきの印に…どうぞ！」
「初めまして、Aって言います。わ、これすごいですね。ありがとうございます」

頑張って手作りしたおはぎ。Aが好きなもの。
嬉しそうに笑ったAにときめいた。好き。
隠し味も勿論入れてある。ナニか、は敢えて言わないでおこう。

それから俺はゴミ出しやら出勤やらのタイミングを合わせ、着々と仲を縮めていった。
今は、俺特製料理をAにあげるのを日課にしている。
Aもそれに喜んでくれて、胃袋を掴めたのかな、なんて考える。
Aも少なからず俺に好印象を持っているだろうし、一緒に居れる日も遠くないだろう。
俺は頬を緩めた。

プレデター→←胃袋も俺色に染めて

ラッキーカラー

あずきいろ

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