Question-3 ページ7
3話〜違い〜
「おう...よろしく」
蕗は握手しながらも頭の中で「?」を掲げていた。
なんというか変だ。笑っているのに表情がないように感じる。
『あっ、私は"
貴方と同じ2年生だよ〜』
横にいた女子もこっちを向いて手を振った。
独特な名前ではあるが、こっちは不自然ではない。
...何が違うんだろう?
はっきり分かるけど、言葉には表せない。
控えめな男子と楽観的な女子の温度差とは、
また根本的に違う何かが。
「しかしまぁ、今日は中々変な日だ」
『変な日って?』
「なんだか今日はいつもより人に話しかけられてる気がする。
...まぁそれだけなんだが」
『まぁそんな日もあるよ。
僕は逆の日の方が多いからたまにそんな気がする時もあるし、
普段周りが賑やかだとよりそう感じるよね』
「あーそういうことか。
やっと納得したよ。ここ最近教室が暴走してたからさ」
なるほど。そういうことか。
やっぱりあの
蕗と望はまた笑い出した。
隣で話を聞いていた図書委員の少女も笑っている。
...ただし凛だけは少し難しそうな表情をしていた。
「(あれ?あいつもさっきまで笑ってた気がするのだが...)」
と思いきや目線は下の本に行っていた。
そんなに考え込むようなことが書いてあったのか。
いや、ここに来た以上は本が目的なんだろうけど。
『大変だねー』
「本当にな。
あ、なんかここで気になる本とかあったら紹介してくれんか?」
『気になる本...そうだねー。
この本とかにはそれっぽいことが書いてるかも』
そう言って望が手渡してきたのは、
他に比べて少し薄めの本だった。
傷みも他の本に比べて少ないように見える...最近の本なのだろうか?
「さんきゅー。
(さーて、何が書いてるのかな...と)」
ページをめくってみると、新聞の切れ端がひらひらと地面に落ちた。
同時に蕗の興味の矛先もチェンジした。
「"
蕗はこれが"触れるべきでないもの"であることをまだ認識していなかった。
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淀月九葉@修業中(プロフ) - まさかの急展開… (2016年5月10日 12時) (レス) id: c123e1c9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じかみそ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年1月31日 17時