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Answer-1 ページ23

19話〜混乱〜

「この新聞...今から40年も昔のやつじゃねーか!」
「それじゃ、望さんは40年前に既に...」

考えてもみなかった。
つい数日前まで存在していたはずの望は、40年前に命を落としていた。

......いや、思い返せばあいつを山から下ろそうとした時、俺の手はあいつの腕をすり抜けた。
逃げることに必死で忘れていたが、あの時点で幽霊であることには気付けていたかもしれない。
思えば望が他の物に全く触れていなかったのも、
自分が幽霊であることを知られたくなかったからかもしれない。

......しかし、どういうことだ?
あいつは40年前から2年に1度誰かの側に現れて、水難事故に巻き込んでるとでもいうのだろうか?
だとすると、あいつは何かの復讐で関係ない奴を巻き込んでいるとでもいうのか?
あんな悲しそうな表情を浮かべていて、裏ではそんなことを考えていたとでも?

いや、あいつはそんな奴じゃない。
それなら小屋に入った瞬間に俺を殺すことだってできたはずだ。
だがそれ以前に、2年に1度決まった日に起きる水難事故の存在自体が疑問でならない。
あいつにはそれを起こすほどの力があったのか?

考えれば考えるほど頭が痛くなってくる。
謎になっていることが一つ一つ非常識的すぎて全く理解できない。
幽霊の存在を肯定したって、それ以上の謎が泉のように湧いてくる。

何かを"仮定"するとまた複数の可能性が浮上し、
どれか一つをまた"仮定"してもまた違う選択肢が出てきて解決を阻む。
この文面だけでご飯3杯逝けるわ。
どうしろと言うのだ。平凡な中2男子に何を求むのだ。

「あの......何か、考えるの手伝いましょうか?」
「えっ、何か心当たりでもあるのか?」
「幽霊のことで心当たりはないですけど......他のことなら何か力になれるかもしれません」

真剣な顔で言っているのも重なって物凄く頼りになりそうな雰囲気が出ている。
イメージって大事だね。

そういえば別のクラスにとんでもなく危ないことをしてる奴がいるって聞いたなぁ......
まあ、今は関係ないか。

「ありがとよ。
すまんな、俺が勝手に首突っ込んだことなのに」
「いいんですよ。
......琴音さん以外からお礼を言われたの、初めてかもしれない」

上葉は少し頬を赤らめた。

「あ、ごめんなさい。
変な人に見えましたか......?」
「え?いや、珍しいな......と思ってな。
それはまた後で話すよ」

「それじゃ、ちょっと聞きたいことがあるんだが......」

蕗はあの日のことを語り始めた。

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淀月九葉@修業中(プロフ) - まさかの急展開… (2016年5月10日 12時) (レス) id: c123e1c9e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じかみそ | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年1月31日 17時

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