山裾追憶録～Lost Memories～ (ページ21)

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Evidence-5 ページ21

17話～答え合わせ～

～2日後山裾中学校～

『『『さようなら！』』』
「(よっしゃ！)」

終礼が終わると同時に全速力で動き始める。
これでやっと確認できる。やっとこのジレンマから解放される。

休日を挟んだおかげで確かめられず夜もろくに眠れていなかったが、
それからもようやく解放される時が来た。
おかげで授業中何度寝たかも分からない。
...これは自分のせいか。

誰よりも早く椅子を手荒く机の上に乗せ、教室を駆け足で出る。
目指すは図書室。
これで確実に何かは進展する。
蕗の胸は高鳴っていた。

～図書室前～

「おうふ」

そもそもまだ図書室が開いてなかった。
さすがに急ぎすぎたらしい。

「そりゃそうか。
図書室の管理者だって生徒だもんな」
「あっ！図書室ですか？」
「！
おう。例の部屋に用があってな」

そう言うと前も会った図書委員の女子は鍵を取り出して扉を開けた。
...いや、ちょっと待て。

「お前...図書室の管理者だったのか！？」
「えっ...？あ、はい。
そういえば自己紹介がまだでしたね。私は図書室長の"柏(かしわ)木(き) 上(あげ)葉(は)"といいます」

言い終わるとその女子は軽く一礼した。

...さらっととんでもないことを言われた気がする。
図書室長って学校に一人の責任感ある生徒しかなれないと聞いていたが...
なるほど、全然不思議でもないな。

「...あぁそうだ。危ない忘れかけてた。
例の部屋開けてもらっていいか？」
「例の...？あ、あの部屋ですね」

何室って書いてるわけでもないから何と呼べばいいか分からん。
この学校にはそんな名前のない部屋がいくつかあるというが...欠陥工事でもされたのだろうか？
とりあえず不便で仕方ない。

「また"あの呪い"の調べものですか？」
「...あぁ、まあな。
消えちまったんだよ、あいつが」
「望さん...ですか」
「そうだ。
...それで思い出したが、一つ聞きたいことがあるんだがいいか？」
「はい...なんでしょう」

随分と驚いているように見える。
...多分個人的に聞かれることがあるとは思ってなかったのだろう。

「2年前に呪いに巻き込まれた奴って、
例の日から何日後に発見されたか...って分かるか？」
「前の呪いの年ですよね。
...確かその日の翌日だったと思います」

やはり。
おそらくその前の年も、それ以上に前の年も3日未満のはず。
3日以上もそのまま生きてられるはずがない。

「開きましたよ」
「おう、すまんな」

さて...答え合わせといこうか。