山裾追憶録〜Lost Memories〜

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12話〜決意〜

「...」

翌日。
ほんの少しの希望を信じて登校したが、
やはり望は登校してはいなかった。

『先生。
望は何で来てないんだ？』
『学校に連絡が来てないので分かりません。
さあ席について。休みは終わりよ』
『また失踪かよ。山裾どうなってんだ』

山裾ではよく原因不明の失踪事件が起きる。
幽霊などの怪奇現象が現実的って言われてるほどおかしな場所だから調査も無駄。

「(望...あいつは...)」

望の生死は分からない。
この呪いには"死には至らない"という特徴があったが、
そうなる根拠はどこにもない。

今回も"呪い"は起きた。
今ある真実はそれだけ。

『あー、晴れちまったな』
『持久走かよ。だるー』
『こら！授業中だって言ってるでしょ！
休み時間なくなってもいいの！？』
『『マジすみません』』

...だけど、あまりに不自然だ。
やっぱり何かがあるとしか思えない。

常識で解けないなら、非常識に解決すれば良い。
目には目を。非常識には非常識を。

まだ諦めちゃいねえぞ。
"呪い"の正体を暴き、解決するまで絶対逃げない。

...暴いてやる。全部、完全に。

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