山裾追憶録～Lost Memories～ (ページ11)

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Question-7 ページ11

7話～夕暮れの森～

～翌日午後3:46～

「...時間だな」

まだ日は昇っているが、暗くなりすぎたら探索出来なくなる。
計算内だ。
蕗は心の中でドヤ顔を決めた。

行く場所は簡単。旧山道の入口。
その先に何か、秘密が眠っていると信じて。

～旧山道入口午後3:58～

「...蕗君」
「おぉ早えな。もう着いてたのか...って、
昨日何かあったのか？目の色が変だぞ」
「...あぁ、これ？
どう説明すればいいのかな...」

目的地に着くと、そこにはもう望の姿があった。
が、何故か昨日と違って少し目の色が薄くなっている気がする。
どちらかというと灰色っぽいが、理由の説明で望は大分悩んでいるらしい。
このまま考えさせても不毛だろう。

「...まあいいや。
それにしても、準備が良いんだな」
「...これね。
どれだけかかるか分からないから」

あいつも懐中電灯を持っている...が、何故か俺のものよりもさらに古そうに見える。
まあそこは関係ないんだろうけど。

「何が起こるか分からないしな。
それで、何か心当たりがある場所とかはあるのか？」
「うん。実は旧山道の途中に小屋があるらしいんだ。
僕としてはそこが怪しいと思うな」
「ほう。もしかして行方不明になった生徒に話聞いたのか？」
「...うん、そうだね」

ちょっと考えてから望はそう言った。

「(...変だな、やっぱり何か違和感がある。
...まあ行けば分かるか)
それじゃ行くか。日が暮れたらマズいし」
「うん」

二人は山道へと足を踏み入れた。

～旧山道～

「しかし、本当に二年に一度人が溺死寸前の状態で見つかってるんだろうか？
そんな奇っ怪な話聞いたこともないが」
「僕も分からないよ。
だけど、ここで何かが起きたのはほとんど間違いないよね。
刃物で刺されたとかなら他殺か自分でやったかだけど、溺死は悪意をもって出来ることじゃないからね。簡単には」

確かにその通りだ。
少なくとも山裾から登る山道に湖や川があるとは聞いたことがない。
山裾には湖があるが、湖で溺死寸前なら陸の上で発見されることはないだろう。

「それも二年に一度、決まった日ってのが気になる。
あまりにも出来すぎた話だとは思わんか？」
「そうだね...それに、
その日は今日みたいなんだ」
「今日か...溺死しかけないように気を付けないとな」
「気を付けないとね」

...今日？
それは初めて知ったが、それなら丁度良い。

しかし、やっぱり妙だ。
偶然にしては話が出来すぎている。

...こいつ、何か隠している？