蛙は蛇に睨まれました。

02 ページ4

荊軻「あっ、大きい声出してすみません…えぇっ……い、泉川さんはどう思うんですか…」


私のその質問に困ったような顔をした後、


担当「正直に言うとですね、出て欲しさはあります。だって東都のトップに近い方からも支持を頂ける無形先生は凄いんですから…ですが…」

荊軻「ですが…？」

担当「無形先生が氷室さんを前にして悠長に喋れるとは思わないというか…無礼な言い方すみません！でもこの数年、無形先生の担当をしてきた私だから言える事というか…」


全くもってその通りだ。
確かに北都から東都に移ってきた私なんかの作品を東都のトップに近い方から支持を受けているなんて凄いという言葉の他に無い。
そしてそんな方を前にして喋れる気もしない。
けどこれを断ったらこの出版社や泉川さんや私がどうなるやら……


担当「それでも、無形先生が無理だと仰るなら私も腹を括って編集長に話をつけてきま…『やります』えっ？」

荊軻「だって、これ断ってしまったら私も泉川さんもこの出版社さんがどうなるか…わからないですし…精一杯頑張ります…。」

担当「無形先生…ああああありがとうございます！！俺、編集長に伝えてきます！ありがとうございました！お疲れ様です！！」


と颯爽と編集長さんの席へ向かった泉川さん。
これで良かった…と思える様に対談の日までに人とコミュニケーションをたくさん取らないといけないといけないと思った。

03→←01

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す