6.むかしのきおく。 ページ18
あれは、小学3年生の時だった。
母方の祖母の家に遊びに、
家族で出かけたときの事だった。
その日は、暑い夏の日で私は近くの岬に行った。
そこには、一本の長い木が立っており、
木の下には小さな鳥居があった。
その鳥居をくぐると、小さいお社が立っていた。幼い頃、好奇心旺盛だった私はその小さなお社が、秘密の場所になった。
家に帰って、岬でお社を見つけたと祖母に内緒で話した。祖母は、そうかいと笑い、一つの昔話を話してくれた。
代々、雨宮家の一族は雨神様につかえているそうだ。なので、祖母の家は雨神様を祀る神社で、苗字に雨がついていると言う。私は、そのような神話が大好きだったので、興味津々に聞いていた。
あの岬にあるお社は、遠い昔雨が降り止まず、凶作が続いていた頃に作られたものらしい。雨神様がお怒りになっているのだ。そう考えた村人たちは、生贄を捧げる事とした。その時に選ばれたのが、雨宮家の一族のご先祖様だった。生贄をこころよく受け入れたご先祖様は、その時に『私のためにお社をどうぞ造ってください』と村人に託した。村人達はそれを引き受け、あの岬に小さなお社を建てたそうだ。
その後、無事雨はやみ、農作物も順調に育っていった。そのお礼に、雨宮家の一族が大きなお社を建て、雨神様を祀った。そして、生贄となったご先祖様のお社には、一本の木を植えたのだと言う。
「そんな事があったの？」
「そうさ。じゃけん、そのご先祖様の巡り巡っての子がAなのさ。雨宮家に誇りを持って生きなさい」
祖母はそう言うと、優しい温もりのある手で頭を撫でてくれた。
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幸絵(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。完結まで書いてくださりありがとうございます。もしできたらでいいので続編など書いていただけたらすごく嬉しいです！とりあえず、お疲れ様でした<(_ _)> (2022年7月19日 7時) (
レス) @page39 id: 23b9936184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流星群 | 作成日時：2021年1月9日 16時
