【学園アリス】星降る夜に

第20回 ページ23

今日は学園がざわついている。


そう思ったのはきっと俺だけじゃない。





美「今日何かあんの？」


ほらな。


隣にいる美咲も違和感を感じたみたいだ。


翼「いや、なんも知らね」




ざわついている、と言っても騒ぎが起きているとかそういう事じゃない。



何か、学園の雰囲気がいつもと違う。







「はい、席つけー」


担任が入ってくる。


担「今日はHRの前に重大発表がある」



重大発表？？


今日の学園の空気と関係あんのかな。


「なになにー？」


「なんかあったのー？」


教室内が一気にざわつく。



担「入ってきていいぞー」



なんだ転校生か。


担任が廊下に向かって呼びかけたことで、その発表が転校生であることがクラス全員に理解出来た。




この学園ではたいして珍しい事じゃない。



だから気になったのはどんな奴なのかくらいで、俺達はさほど驚かなかった。




そいつの顔を見るまでは。




ｶﾞﾁｬ。



転校生が入ってきた瞬間にクラスの時が止まった。


いや、正確には止まってないが俺にはそう見えた。







足を踏み出すたびになびく髪。



少し大人っぽくなった見覚えのある整った顔立ち。



にっこりと変わらない笑顔を向ける転校生。





そいつに見惚れている奴と、信じられないという顔で見ている奴にクラスは分かれている。



もちろん俺は後者なわけで。





「天宮Aです。よろしくお願いしますっ！」




想像のついていた名前が本人から発せられ完全に肯定された瞬間。









「｢A/ちゃん〜〜っ！！？｣」



俺らは叫ばずにはいられなかった。

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