二人の時間 ページ16
評議会を終えたAは、久しぶりに自分の部屋へ戻った。
もちろん、オビ=ワンも一緒に。
貴)あ〜…傷んじゃったかしら…。
冷蔵庫を覗き込みながらAが呟く。
オ)どうしたんだ?
貴)貴方の好きなフルーツタルトを作ろうと思って、果物を揃えておいたのよ。でも、さすがにこんなに長く置きっぱなしだと、仕方ないわよね…
オ)気にするな。気持ちだけでも私はおなか一杯だ。
こんなにありふれた、幸せな会話をすることさえ久しぶり。
ジオノーシスの戦いから突如始まった、クローン戦争。
いきなりの開戦。
驚く間もなく起こった誘拐事件、陰謀の数々。
そんなことで、自分の部屋の床を踏むことはしばらくかなわなかった。
貴)お茶でも、淹れましょうか。
オ)ああ。嬉しいな。
淡いピンク色のガラス瓶を開け、お茶の葉を取り出す。
お気に入りの陶器のポットに、温かいお湯を注いで。
程なくして、オビ=ワンの深い青色のマグカップと、Aの鮮やかな赤色のマグカップに、ほんのり果物の香りが漂う紅茶が注がれた。
オ)それにしても、驚いたな。
お茶のお供にと焼き菓子を用意するAの背中に、オビ=ワンは言葉を投げかけた。
貴)何?
オ)ダルシ―のことだよ。まさか、ジェダイ候補生なんて。
貴)本当ね。ジェダイ候補生をさらって、人質にするなんて、グリーヴァスが許せないわ。
オ)…もとは、あんな奴じゃなかったんだ。グリーヴァスは。
貴)私も聞いたわ。故郷の負債を帳消しにするために、分離主義に入ったって。でも、ダース・シディアスが彼を扱いやすくするために彼の宇宙艇を爆発事故に追い込んで、グリーヴァスを…機械化した。
オ)ああ。…何と言うべきか。
貴)ひどい話よ。ダークサイドに堕ちたシスの暗黒卿は、味方すら利用する。そんな奴が、次は私たちを狙いに来るのよ。
自分で言った事実に、Aは少しだけ怖くなった。
そんな不安を抑え、Aは何枚かのクッキーをのせた皿と、紅茶の入ったカップをテーブルに運んだ。
オ)A。
貴)どうしたの?
オ)…今は、何も気にしなくていいさ。
あたたかい声を投げかけられ、Aはゆったりとオビ=ワンのフォースに包まれるのを感じた。
貴)そう…そうよね。
オ)ああ。…二人だけのときは……私だけのものでいてくれ。
Aは微笑んだ。
太陽の光に照らされ、オビ=ワンは彼女に優しいキスを送った。
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まいまい(プロフ) - 楽しみにしてます^^ 更新頑張ってください (2016年7月11日 23時) (レス) id: f797efffce (このIDを非表示/違反報告)
アリソン - はるるんダヨさん» いえいえ、早速読んでいただいてありがとうございます!ページが移りましたが、リクエストや感想お待ちしています! (2016年3月17日 15時) (レス) id: 2876ab4a12 (このIDを非表示/違反報告)
はるるんダヨ(プロフ) - アリソンさん» リクエストのやつありがとうございました!面白かったです!これからもいろいろリクエストしてもいいですか?っていうかします! これからも頑張ってください! (2016年3月17日 8時) (レス) id: afb787af0b (このIDを非表示/違反報告)
アストロメク - 主人公ちゃんとオビ=ワンが恋人喧嘩しちゃってアナキンが仲立ちするお話ってリクエスト出来ますか?時間に余裕があればで全然構わないですし、面倒くさいリクエストになってしまいすみません。これからも頑張って下さい\(^o^)/ (2016年3月16日 22時) (レス) id: 747d9cb02c (このIDを非表示/違反報告)
アリソン - はるるんダヨさん» リクエストありがとうございます!早速書かせていただきます!本当にコメントや評価が私の糧なので笑感謝しています! (2016年3月16日 21時) (レス) id: 2876ab4a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリソン | 作成日時:2016年3月15日 17時