2話 産屋敷のお嬢 ページ4
『たっだいまー!!』
すると、ダダダ!と大きな足音をたて、善逸と伊之助、無一郎が迎えてくれる。
善逸)「おかえりぃぃぃ!Aちゃぁぁぁぁん!!!何処行ってたのぉぉぉ!?一緒に帰る約束してたのにぃぃぃ!」
私の腰に抱き着き、涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔をした善逸。
『あー…ごめん、すっかり忘れてた。』
少し引き気味に答える。
善逸)「ぇぇぇぇぇぇえええ!?」
…余計に煩くなった…。
伊之助)「紋逸がずっと煩かったんだぞ!」
綺麗な顔の眉間に皺を寄せる伊之助。
『そっか…ごめんね。伊之助は静かにしてた?』
伊之助)「おう!静かにしてたぜ!しのぶにも怒られてねぇしな!ガハハハハハ!」
腰に手を当て、胸を張りながら笑う伊之助。
『そっかそっか。偉いね〜〜。』
伊之助の頭を撫でると、ホワホワと幸せそうな顔をした。
伊之助)「…ハッ!ホワホワさせんじゃねぇ!!」
バシッと私の手を振り払う。
『痛っ』
伊之助)「わ、悪ぃ…怪我してねぇか…?」
えっ、えっ!?
あの、伊之助が…優しい!?
『伊之助!何か変な物でも食べた!?しのぶの毒とか!』
伊之助)「???」
分からないと言う顔をしている。
無一郎)「…胡蝶さんが、嘴平にちゃんと素直に謝ったり感謝したりしなさいって言ってたよ…」
無一郎が教えてくれる。
『成程ねぇ。ちょっと違和感があるのは私だけ…?』
そこにしのぶと炭治郎がニコニコしながらやって来る。
しのぶ)「お帰りなさいAさん。いつまでそこで話してるつもりですか?ほら、早く上がってください。今日は肉じゃがですよ。」
炭治郎)「お帰り、お嬢。お嬢が好きなワカメの味噌汁も作ってあるぞ!」
いや、炭治郎さん。
そんな笑顔で言われても、私は見逃しませんぞ?
『炭治郎。お嬢って呼ばないでって何回言ったら分かるの?』
炭治郎)「あっ!!す、済まない…。なかなか慣れなくてな…。えと、おかえり、A。」
『ん。ただいま炭治郎。まぁ…慣れないのは仕方ないよ。炭治郎、2か月前に入ったばかりだし。』
そのとき、横からただならぬオーラを感じ取った。
青筋を立てたしのぶ。
ニコニコ笑っているが、確実に怒っている。
『…しのぶ?』
しのぶ)「良いから
ぎゃーーーーー。
何処からか悲鳴が聞こえた気がする。
…空耳?
気の所為?
…いや、そんなこと無かったわ。
『…善逸が気絶しました…。』
14人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:星空海月 | 作成日時:2021年2月18日 19時