黒木の幼馴染！【探偵チームｋｚ事件ノート】

幼馴染が十四人 ページ15

紗月side

ああスッキリした。


そんなことを思いながら目の前に立っている片山悠飛を見る。


彼の作品を読んでからずっと思っていた。


気持ちが悪い、こんな夢物語で簡単に救われてなるものか。


でも本人が何処でどうしてるかなんて全然分かんないし。


だから今回の仕事の資料を見て歓喜した。


立花彩にアドバイスしてるなら仲良くしてて損はないしこのモヤモヤも伝えられるんだもん。


まさに一石二鳥でしょ？


まあここまで言っちゃたから片山悠飛じゃ友人誑し込み作戦は実行できないね。


後で悠に謝罪を入れておこう。と、完全に仲良くできないモードに入ってたんだけど・・・。


悠飛「ありがとう。」


はっ？


私の耳は腐ってしまったみたい。もしくは片山悠飛のが。


『えーと何がありがとうなんでしょう？私、結構貶しちゃった気がするんですけど・・・。』


思考回路が狂ってしまった片山悠飛に恐る恐る聞いてみると極上の笑みで返された。


悠飛「俺も、心の中では気に食わなかったんだ。綺麗事の塊みたいな話もそれを褒める周りの奴等もそんな話で自分を慰めてた俺自身も。だからありがとう。お前のお陰でスッキリした。」


片山悠飛は勢いよく言い切るとふぅと息を吐いた。


よく分からないけど何故か好印象みたいだし良かった・・・？


何はともあれ悠に良い報告が増えたね。


悠飛「で、名前は？」


『東条紗月です。この間から浜田生です。』


悠飛「もう知ってるみたいだけど片山悠飛な。ちなみに俺はずっと浜田生だ。」


そう自己紹介され握手を求めるように手を差し出されたのでそれを握る。


ちょうどその時。


ガチャ。


握手を交わした私たちの横で音が鳴った。

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