LOVE with SICK！〜双子の兄ができるなんて聞いてない！〜 (ページ3)

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＿＿ジリリリリリ！
けたたましい目覚まし時計の音に微睡んでいた意識が浮上する。

「………夢…？」

視点の定まらない瞳で白い天井を見上げる。いつもの、朝の光景。
ゆっくりと身体を起こせば階下から声が聞こえた

「A～！そろそろ起きないと遅刻するわよ～！」

朝は嫌いだ。全てが慌ただしい。
よたよたと覚束無い足取りで階段を下りる。

ダイニングルームは焼きたてのトーストの香りが充満していた。

「お母さん今日早いからもう出ちゃうね。学校に行く時鍵を閉め忘れないように！」

「はーい…。いってらっしゃい……。」

眠い目を擦り洗面台へと向かおうとすると玄関で靴を履く母親から呼び止められた。

「それと、今日は大事な話があるから寄り道せずに帰ってきてね！」

「はーい…って、え？大事な話って今じゃダメなの？」

「じゃあいってきまーす！」

「えぇ……」

困惑する私を置いて母親はバタバタと出ていった。

「まあ、いっか…。」

歯磨きや洗顔、朝食といった朝のルーティーンを済ませていつもの制服に着替えると昨日のうちに準備しておいたスクールバッグを肩へとかける。
履き慣らしたローファーの爪先をトントンと鳴らしドアを開けると眩しすぎる程の晴天が寝ぼけ眼を刺激した。

「……あ、日焼け止め塗り忘れた。」

こうして、私の代わり映えのない平和な一日が今日もスタートする。

……はずだった。
少なくともこの時の私は、そう信じていた。

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