Star Mint･.ﾟ｡･+ﾟ*｡ S.T ３【短編集】

★Trap... ページ5

昼休み

やっと仕事が片付いてきて、コーヒーでも飲もうと立ち上がろうとした時

ふいに、デスクにホットコーヒーが置かれた







ありがとう、と顔を上げると
にっこり微笑んだ彼の顔が思ったより近くにあって、思わずのけ反ってしまった




『っわ、びっくりした』

祥｢ふふっ、相変わらず可愛い反応ですね｣




まるで子どもが悪戯したかのように笑う

彼は部下の戸塚くん
私の直属の後輩で、お世話係をしてから仲良くなった






祥｢Aさん、ランチ行きません？｣

『うん、いいけど…
私でいいの？』

祥｢ストレス俺に吐いていいんですよ。
強がりなAさんも魅力的だけど、たまには甘えてほしいから｣

『…ありがとね、戸塚くん』



褒めるのが上手な彼
日々の愚痴を聞いてもらうために、会社を出て近くの店に入った









戸塚くんは好青年で周りの上司や同期にも人気がある
いつもふわふわしてて
怒ってるところなんか見たことない





そんな戸塚くんが帰り道に豹変した







祥｢俺払いますね｣

『いいよ、私の方が高いの食べたし』

祥｢だーめ、女性に払わせるなんて出来ないです｣



さっと支払いを済ませ、振り返ってニコニコしてる

…何だろう、リードされてる。







祥｢なんか会社戻りたくなくなっちゃいましたね｣

『だめだよ、さぼっちゃ』

祥｢ふふっ、冗談ですよ｣



なんて言う姿もやっぱり可愛らしくて
母性くすぐるよなぁ、なんて考えてたら









祥｢あっ…｣


前方からものすごいスピードで走ってくる車

反射的によけようとしたら
身体が動く前に戸塚くんに引っ張られた








祥｢あっぶねぇな…｣


引き寄せられた時にふわっと香る甘い匂い
聞いたことのない低くて真剣な声色
両肩に感じる彼の手のあたたかさ
こんなに大きな手だったんだ


初めての感覚に身動きが取れない







祥｢…大丈夫でした？｣

『えっ、あ、うん。
大…丈夫、です』

祥｢しっかりしてないと危険ですからね…色々と｣







耳元でそう呟いた意味ありげな言葉





……しっかりしないと。

思わぬ落とし穴に落ちちゃうかも









直属の部下に恋したなんて

同僚にも、親にも、
勿論 本人にも



…言えるわけないんだ。





まだ。


.



fin.


―――――――――――――――

更新1ヶ月以上空けてしまってすみません(-人-)
テスト終わったのでこれからはちょくちょく書いていきます★

いつもリクエストありがとうございます♪(^∀^)
書く活力になります!

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