・一か八か ページ4
徐々に構築されていく魔法陣を見た俺。
これでいて強くて知識があるため、アレがこちらの意思など関係なく、魂の契約を結べる頭のおかしいものだとわかってしまった。
「よーん、さーん」
いやいやいやいや、あれ、俺の同意があろうがなかろうが関係なしに契約されるんだが！？
俺の方に干渉してきてるんだが！？
魂を守ってるはずなのに無視して干渉されてるんだが！？
まず、魂の契約とは守らなければ死あるのみ！ っていうやベー奴。
だから今回の場合、契約内容を守っても俺の魂を捧げるって言う内容になってるせいでどう頑張っても死ぬしかない。
うそだろ。それは絶対に嫌だ。効果範囲外まで逃げればなんとか……！
「にーい、いーち」
ならねぇ………！ なんでコイツあの魔法使いながら動けてんだよ。
高難易度の集中力がいる魔法だろ！ 立ち止まって集中してろや！
「ぜーろ、契約完了！内容はー」
くっそ、どうしよう？どうするだ？ 落ち着け、魔法には詳しいだろ、俺。
よし、一か八かだがやるしかねぇ。
俺だって魔力の操作は得意。魂への干渉のしかたも知っている。
だから、悪魔の魔法に干渉して契約内容をねじ巻ければ良いんだ。
「悪魔〒☆+※○&の名のもと月雪レイとの契約をおこなう！」
陣に干渉しながら魔力を精一杯声にこめて、叫ぶ。
頼む成功してくれ……！
ここまでの契約内容変更が限度。結局、契約破棄できず、最終的には悪魔に魂が捧げられる内容になる。
最悪最低な内容だが、まだ、まだ、こっちのがマシなんだ！ だから、成功しろ！
「アリス、柊、真白を生き返らせ、その代償として月雪レイが悪魔〒☆+※○&に殺されるまで永遠の命を手に入れるものとする！」
「ゲッ」
「っ、うっし！」
俺が叫び終わると同時に辺りがひかり……契約が完了した。
なんとかなった。危なすぎる賭けだったが、勝った。
いや、まだだ。この悪魔に殺されたらそこで終わるのだから。
「………はああああ！？ チッ、ぶっ殺す」
「ちょ！落ち着け！」
俺に邪魔されたのが癪だったのだろう、ブチ切れた悪魔が爪を振りかぶり襲ってくる。
「ヤダ」
なんとか一撃目を倒れるようにして避ける。
「これから！後の方が！今よりも俺の魂は旨くなるから、落ち着け！」
そして、急いで絞り出した俺の言葉に、悪魔が人の喉に鋭い爪を突き立てながら止まった。
「へーだからなに？」
「いやほら、旨い方がいいだろ！ お前も！」
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