検索窓
今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:187,212 hit

調理 ページ24

.




捌いたって捌いたって、無限にわく低級呪霊。


解って、自分を下の階に放置したのかと己の師を恨めしく思った。しかし、彼ができると思って置き去りにしたのなら、きっとできる。根性論なんか信じるもんじゃない。しかし当然、彼の方がこれらの有象無象よりよっぽど強いことは明白だった。そういうことだろうか。



せわしなく、手を動かす。せわしなく、頭をはたらかせる。



無下限を使えば、きっと全部ふっとばせる。しかし、今回建物の被害も最小限に抑えなければいけない。普通は見えないのだ。そんな見えもしないものを討伐するために壊れました、なんて子供に説明がつかない。なにも、見えないものまでわかるわけではない。そこまで子供は聞き分けが良くないことだって、自分に重ねて悟は理解していた。


それに、無下限はまだ扱いなれない、諸刃の剣未満の代物である。そうやすやすと上手く使えたならば、今頃五条家は御三家に大きな差をつけているのである。これは、どの術式にも言えることだが。六眼は、主人の世話までしてくれないのだ。



そんなこと、わかりきっているから。低い姿勢で、自らを床に溶かすように滑り込んで。





搔っ捌く。





頭上にまで切り上げた瞬間、煤煙が舞った。___呪霊の塵。低い姿勢をとっていた。周囲を、立ち上がって見回す。…あらかた、片付いたようだった。

何かに取り憑かれたように、呪霊たちは下の階にやってきているようであったが、何か上で師がしたのか。はてさて、見当もつかない。あとで恨み言の一つくらい吐こうと、向きを変えて二階へ足をのばした。

..



2コール目で、やっと繋がる。



「終わった」


『早いですね。二階にはもっと居ますから、頑張るように』


「何でそれ知って___って、」


彼はさっさと言いたいことだけ言って、通話を一方的に切った。ち、と舌打ちして、また増えた吐く予定の、恨み言の数を数えた。そろそろ、今日だけで片手で収まらなくなりそうだ。甘いものでなくてもいいから、何かしら奢らせてやろうと内心思いながら、ナイフを持ち直した。



.

蒙昧→←装義



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (255 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
812人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月山(プロフ) - むさん» ありがとうございます。私もそこはとても気に入っていたので、そう言っていただけて嬉しい限りです。 (2021年2月3日 23時) (レス) id: 5e5e087cf0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 5ページの最後が天才すぎます。。。もう滅茶苦茶好きです。応援してます…! (2021年2月3日 15時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
月山(プロフ) - 腐ぉーちゅんさん» ありがとうございます。更新が遅くなってしまい申し訳無いです。楽しんでいただければ幸いです。 (2021年1月30日 23時) (レス) id: 5e5e087cf0 (このIDを非表示/違反報告)
腐ぉーちゅん - 初めまして。次が楽しみで仕方ないです(((o(*゚▽゚*)o)))更新お待ちしておりますm(_ _)m (2021年1月26日 20時) (レス) id: 6ffd1602df (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Noahさん» 勿体ないお言葉をありがとうございます。ご期待の添えるよう頑張りたいです。 (2021年1月12日 19時) (レス) id: 5e5e087cf0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月山 | 作成日時:2021年1月11日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。