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沈黙 ページ21

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深くなる夜と、相反するように強くなっていく悪寒。また、ぺらぺらの紙の月が自己主張を繰り返している。綺麗に磨かれた窓ガラスから、ひっきりなしに降り注ぐ。Aの左半身をうらめしく照らす。彩度の低い色の歩廊にひっそりと影を落とした。



なにやら、下の階層から賑やかしい音が聞こえる。悟はうまくやっているなと、少しの安堵を覚えた。深夜の学校の静謐さとは似ても似つかない音は、呪術師にはコピー機の音みたいなものだ。

そう、殊に学校においては、よくある話ですむほどにポピュラーである。怨恨の溜まり場、特に私立の受験産業を賑わせる名門となれば尚更。人の数、特性、雰囲気。すべてに呪霊のクオリティは左右される。



少し前、それを悟に言うと、彼は野菜かよと不思議な例えをした。まったく、おかしな子だと鼻で笑ったら彼は憤慨していた。それもこれも、平和な話である。





『さて、』





うしろ。






刹那、鞘から刀を引き抜き、受ける。迫る衝撃。びりびりと、強い____きっと、二級では収まりきれない等級にあると思われる。こんな質のものがわいていると思うだけで、数時間先までの苦労が目に浮かぶ。まったく。



『使ってみますかね〜』



相手の間合いに入り込まれたら終わりだ。なれば、と。



すばやく人型呪霊の手首を掴み、首根っこを、刀を放り投げた右手で鷲掴みにする。暴れるが、気にしない。呪力が親指、人差し指、中指___五指に流れ、満ちていくのを感じながら、ゆっくりとくちびるを開いて____



さよなら(・・・・)



ただの離別の言葉が、力を持って作用する。くちびるから紡がれた言葉は、ひどく優しかった。すぐさま灰燼と化す体は、はらはらと夜闇に消えていった。



息を吐く。




『お、改良成功ですか!』


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月山(プロフ) - むさん» ありがとうございます。私もそこはとても気に入っていたので、そう言っていただけて嬉しい限りです。 (2021年2月3日 23時) (レス) id: 5e5e087cf0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 5ページの最後が天才すぎます。。。もう滅茶苦茶好きです。応援してます…! (2021年2月3日 15時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
月山(プロフ) - 腐ぉーちゅんさん» ありがとうございます。更新が遅くなってしまい申し訳無いです。楽しんでいただければ幸いです。 (2021年1月30日 23時) (レス) id: 5e5e087cf0 (このIDを非表示/違反報告)
腐ぉーちゅん - 初めまして。次が楽しみで仕方ないです(((o(*゚▽゚*)o)))更新お待ちしておりますm(_ _)m (2021年1月26日 20時) (レス) id: 6ffd1602df (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Noahさん» 勿体ないお言葉をありがとうございます。ご期待の添えるよう頑張りたいです。 (2021年1月12日 19時) (レス) id: 5e5e087cf0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月山 | 作成日時:2021年1月11日 9時

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