罰則 ページ19
.
『あーあ、こんなところに僕の手に余る任務が!あまりに荷が重いんですけれど、誰か手伝っていただけないかなぁ』「俺がする」『それが謝る態度でしょうか』「させてくださいっっ!」『今夜11時、門の前で』「ハイッ!」
どうぞ、と手渡された2、3枚の紙。それらには、今回の任務の概要が記されていた。
郊外にあるエスカレーター式で幼稚舎から大学まで一貫教育の学校。馬鹿でかい。相手は一級呪霊4体____実は、初の実戦・実地任務である。それにしてはあまりにハードな気もしないことはないが、力試しと鬱憤晴らしにはちょうど良かろうと思うことにして、師に了解の旨を伝えた。
.
無駄にまばゆく輝く星が顔を出したのも数時間前の深夜。11時を回ったところだ。師の手招く方へ、補助監督だと名乗った女性の運転する車に乗り込む。
『きみは、怖いですか?』
「脅かしまぎれに連れてきて、言われてもな」
『たしかに』
微笑みだけを浮かべて、彼は窓の外に目をやった。雨粒がこぼれ落ちるさまを眺めているようで、どこも見ていない。
今日はなぜか、あめ色のサングラスをつけている。相変わらず、時が止まったような服装をしている。いつか教科書で見た、大正か昭和初頭のサラリーマンのようである。しかし今日は、どちらかというとカタギではなさそうだと言った方が的確か。
「せんせ、なんで今日へんなサングラスしてんの」
『視線を感づかれてしまうとやりづらいんです。特に僕は、悟らせないことが一番ですから』
たしかに、とうなづけば、『悟も要ります?』と尋ねられた。要らない。
「てかさ、師は術式が露見したら終わりじゃん」
『ええ。ですから、体術ですよ』
「暴力教師が」
『何か言いました?』
「いいえ、何も」
.
812人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月山(プロフ) - むさん» ありがとうございます。私もそこはとても気に入っていたので、そう言っていただけて嬉しい限りです。 (2021年2月3日 23時) (レス) id: 5e5e087cf0 (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 5ページの最後が天才すぎます。。。もう滅茶苦茶好きです。応援してます…! (2021年2月3日 15時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
月山(プロフ) - 腐ぉーちゅんさん» ありがとうございます。更新が遅くなってしまい申し訳無いです。楽しんでいただければ幸いです。 (2021年1月30日 23時) (レス) id: 5e5e087cf0 (このIDを非表示/違反報告)
腐ぉーちゅん - 初めまして。次が楽しみで仕方ないです(((o(*゚▽゚*)o)))更新お待ちしておりますm(_ _)m (2021年1月26日 20時) (レス) id: 6ffd1602df (このIDを非表示/違反報告)
莎(プロフ) - Noahさん» 勿体ないお言葉をありがとうございます。ご期待の添えるよう頑張りたいです。 (2021年1月12日 19時) (レス) id: 5e5e087cf0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月山 | 作成日時:2021年1月11日 9時