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逃走者達-3 ページ24

びしっ、と人差し指を突き付ける少年



アルスラーンはあっけにとられたまま
少年の言葉を聞いている





そこへ



『へえ、立派な教えだ』



空気を読まない声がかかる





「な…!?誰だ…!!」

ルシタニアの少年は剣に力を込め
つかんでいた服を引っ張りアルスラーンを盾にとる



けれど、見渡す限り周囲には誰もいない
パルス兵たちも追い付いては来ない



『人はみな平等

ではなぜ貴方達ルシタニアは
異教徒を根絶やしになどと考えるのか…』



「なんなんだ…!いったい、どこに…」



声は聞こえども姿は見えず


ルシタニアの少年は警戒を強める



しかし、アルスラーンは、この声に覚えがあった



「A…?Aか!?」


『…はい!殿下!
お助けに参りました…!』


「しかし、いったいどこに…」



恐る恐る呼びかければ肯定する返事があったが
周りを見回しても、やはり姿が見えない




『ここです、ここ…!』

「「!?」」


声は少年達の足元から聞こえてきた



下を見れば建物の淵にかかる指先が見える
それはどこか震えているように見えた


「な…!?」


これには、ルシタニアの少年も驚きを隠せない
いったいいつからそこにいたんだ…


「A…!!」


アルスラーンは少年のゆるんだ腕から抜け出すと
Aのいる建物の淵に駆け寄る


「どうしたのだ、なぜそんなところに…」

『いや、その…殿下をお助けに参ったのですが
 どうも、取り込み中のようだったので
タイミングが…』


本当は、とっくに追いついていたのだから
飛び出せばよかったのだが

なんだか割って入ってはいけないような気がして…




「…様子をうかがっていたら、
手がしびれて、動けなくなったのか…」


震える様子で察してくれたようだ、
自力では登れないとわかると

手を差し伸べてくれるアルスラーン殿下





殿下を助けに来たはずが…
何と不甲斐ないことだろう

しかし、もう指が限界である


「A、もう少しだ…!頑張れ…!」


『殿下…!もう、大丈夫です…!
もうすぐ他の兵たちがやってきますから…』



小柄なAだが、
子供の力で人一人持ち上げるのは困難だ

悪戦苦闘しているアルスラーン






「さっきから聞いていれば…
バカなのか、こいつ」





ふっと体が持ち上がったかと思うと



ルシタニアの少年が、
アルスラーンの横からAを引っ張り上げていた

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設定タグ:アルスラーン戦記 , , 男装主   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:しゅんすけ | 作成日時:2018年6月3日 15時

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