十人十色な個性の爆発[忍たま乱太郎]

第6話 ページ8

Aside

新野先生と呼ばれた人が部屋に入ってきて、色々と聞かれた。
体調はどうか。頼れる場所はあるか。
体調はだいぶ良くなって落ち着いてきた。だが家を追い出されてしまったため、頼れる場所がない。
その質問にだけは答えられなかった。

せめて命を救ってくれた人達の役に立ちたいとは思うが、自分に出来ることはあるのか……などと考えると返答に詰まってしまった。
すると、新野先生と呼ばれた人は、俺に向けて優しく微笑んで軽く手を握ってくれた。

新野「大丈夫ですよ。頼れる場所がないのであれば、ここにいていいんですから。学園長に相談してきました。」

と言われ、優しさにジーンと感動していると、突然鳥の子紙で貼り固めた煙玉が飛んできて、破裂。
中の煙が充満してみんなして咳き込む。
なんだなんだ！敵襲か！？？？

学園長「ずばり！お主を事務員に任命する！御嶽A！忍術に興味があるのであろう？」
と、煙の中から声が響く。なぜ俺の名前を？？と思うのも束の間。善法寺伊作くんが出入り口を開けて煙を外に逃がす。

伊作「学園長先生！！病人がいるんですから煙玉使うのやめてください！！」

学園長「いやぁ、すまんすまん。少しばかりお主の荷物の中を確認させてもらったところ、忍術の本を持っていたようでな。そこに名前が書いてあったのじゃ！」

と笑っているご老人。なんて破天荒バカ老人なんだ………とむせながら学園長先生と呼ばれる老人を少し睨む。ていうか事務員ってなんだ！？人の荷物勝手に見るなや！！いやまぁ……命を狙う忍びだったら危険か……

色々とツッコミたいところはグッと抑え、状況を整理し、床に手を着いて頭を下げる。

『ここに置いていただけるのなら、感謝しかありません。ありがとうございます。事務員…と言われる仕事を勤めれば良いのですね。……改めて、御嶽Aと申します。忍術の本は、俺が……あぁいや、私が憧れて持っていたものです。』

と丁寧に挨拶をしてみると、学園長先生と呼ばれる老人は思いついたかのように口角を上げ、俺を見る。

学園長「わしはこの忍術学園の学園長、大川平次渦正じゃ。忍術に興味あるとな？思い付いた！！御嶽A殿！早速この制服に着替えてグラウンドに来るのじゃ！生徒たちに挨拶せんとな！ヘムヘム！制服を持ってくるのじゃ」
と俺の有無を言わずに話が進んでいく。
善法寺伊作くんと新野先生が抗議している声がやけに響く中、ヘムヘム！という声が聞こえた。

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