死柄木弔の妹 season6【ヒロアカ】 (ページ40)

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電車から降りると、ホークスが報道陣に囲まれる。

電車をジャックした敵は、私の捕縛の元警察に引き渡された。

ホークスが上手く対処してくれたおかげで、私たち雄英生コンビは報道陣に囲まれることなくその場を立ち去ることに成功した。

「志賀少女、轟少年、災難だったね」

「オールマイト、来てくれたんですね」

「あぁ、相澤くんに呼ばれてね」

焦凍のお母さんに会うという計画は叶わなくなり、私たちはオールマイトの運転する車に乗せられて寮まで戻ることになった。

車窓から覗く景色を見つめれば、焦凍も私と同じように窓から景色を見ていた。

「君たちはこれから寮に帰ることになるんだけど、その前に寄りたいところはあるかい？」

オールマイトの言葉に顔を見合わせた。

きっとこれは、彼の計らいなのだろう。

言葉に甘えるべく、私は薄く口を開いた。

「オールマイト、父さんと母さんの元へお願いします」

焦凍が驚いたように私を見てきた。

オールマイトも少しだけ驚いたらしく、私の顔を見つめる。

「いいのかい？」

「えぇ、もう割り切れているので」

オールマイトはそんな私を見て、少しだけ力が抜けたような素振りを見せた。

雄英に来て1番変わったことは何か聞かれたら、きっと父さんと母さんと華ねぇへの思いだと思う。

私を呪いのように縛っていた彼らを少しづつ、仲間たちと共に解くことができたから。

「私の原点(オリジン)でもありますから」

「A…」

あの家がなければ、私にとっての今のなりたい形が形成されていなかった。

そう考えると、私にとってなければならない試練だったんだ。

「相澤くんが褒めていたよ。“仮免ヒーローとしてあるべき姿をとった”ってね」

「…私一人でもどうにかできそうでしたけど」

でも、今日ホークスに会えて良かった。

ホークスに今日あったからこそ、両親に会う覚悟ができたから。

「…見つけました、私の憧れ(ヒーロー)」

オールマイトと焦凍が2人揃って“そうか”と肩を竦めて笑ったのがわかった。