死柄木弔の妹 season6【ヒロアカ】 (ページ33)

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季節は流れて、11月も中旬に入った。

雄英の勉強は相も変わらず猛スピードで進んでいき、ヒーロー基礎学もより難しく、また実践的な授業がオールマイトとお父さん指導のもと進んでいく。

「志賀、ちょっと来い」

「え、はい」

相澤先生に呼ばれて彼の後ろについて歩くと、仮眠室があり、そこに連れていかれた。

扉を開ければ、波動先輩がソファーに座っていて、そこの背もたれによりかかるように通形先輩が立っていた。

「エリちゃん、来てたんだ」

「あぁ、雄英で預かることになった」

「そうなんですか」

私はえりちゃんに駆け寄り“こんにちは”と声をかけた。

エリちゃんも戸惑いながら同じように返してくれる。

波動先輩がエリちゃんの髪をいじっているのを見て、思わず肩を竦めた。

「器用ですね」

「ほんと！？嬉しい！！」

私の言葉にニッコリと笑う波動先輩。

私がそっとエリちゃんの頭を撫でると、気持ちよさそうに目を細めた。

「エイルさんは、とってもあったかいですね」

「っ…ありがとう」

敵の妹なのに、そんなことを言って貰えるとは思わなかった。

でも、エリちゃんの真っ直ぐな顔に、私も微笑むしかなかったんだ。

「志賀来てたのか！」

鋭児郎の声に振り返ると、出久、梅雨、お茶子、鋭児郎の4人が仮眠室の扉の前に立っていた。

「…みんなは知ってたんだ」

どことなく仲間外れにされたような気がして、私は息を吐いた。

相澤先生に“なんで私は遅かったんですか”という視線を向けたがあっさりと躱されてしまう。

「なんかいいよね、妹出来たみたいで」

「…うん、助けられた命だもんね」

サー・ナイトアイという犠牲を払って助けた命。

大切にするよ、そんな意味を込めて私はまたエリちゃんの頭をそっと撫でた。