死柄木弔の妹 season6【ヒロアカ】 (ページ24)

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「できた！！」

「かわいい…ほんと可愛い！」

透にやってもらった髪型は、私が長く伸ばした前髪を編み込みにしてくれて、表情がよく見えるようなものになっていた。

ダンスをする度に邪魔だと思っていたそれがなくなり、私はかなりスカッとしている。

「轟に見せに行こ！」

「…っ」

いざ言われると小っ恥ずかしい。

そもそもまだ私と彼はそういう関係じゃない。

「照れないのー、早く行くよ！」

「あっ、ちょっ引っ張らないで…そもそも私たちはそんな関係じゃ…！」

私がそう言うと、三奈が急ブレーキをかけた。

それにつられて私も“わっ！”と声を出しながら止まる。

「言ってなかったの？！まだ？！」

「あ…告白自体はしたんだけど、その、交際はしてないというか…」

「なんで？！」

「なっ、なんで？！」

そう聞かれるとは思ってなかったから思わず口を噤んだ。

なんでか。それはまだ、助けられていない人がいるからだ。

個人的な戒めとして、彼女を助けるまでは、私は幸せになっちゃいけないと思う。

私のように束縛された子供を助けるまでは、私はまだ幸せになっちゃいけないから。

「助けたい人がいるから、かな」

「助けたい人、それってもしかして」

「…うん、多分三奈が今思った人」

エリちゃんを、笑わせるまでは。

私と似た境遇…いや、それ以上に酷いことをされてきた子供を助けるまでは、私が幸せになっちゃいけない。

「Aちゃんは責任感が強いんだね」

「…そんなこと、ないとおもうけど」

透の言葉に苦笑いで答えると透は“そうじゃなきゃそんなこと言えないよ！”と声を上げた。

「Aの思いもわかったことだし、私たちから無理強いすることでもないから今回は揶揄(からか)うのやめよっか」

「揶揄っている自覚あったんだ…」

思わず２人に言うと、２人は爽やかな笑顔で頷いてきた。