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「…なんとか地下水の上昇は抑えられたな…はやく脱出しよう」
「もう遅ぇよ」
勝己の言葉に焦凍が息をのんだ。
そう、この氷結は焦凍くんの自損確定の方法だった。
電気と鋭児郎と踏陰、そして私たちを助けるための。
でも、それは私たちが許さない。
だから私と勝己は全員で無事にここを出るための方法を考えたんだ。
「焦凍が凍らせたのはせいぜい表面の10cmくらい。蓋をして強制的に上がらないようにしていたとしても下からは水が出続けている。つまりその氷の下の水は圧迫されている」
「そうするとだ、圧迫された水はそこらじゅうの亀裂からウォータージェットみたいに飛び出して、下手すりゃ地下街全てが崩落すんだよ」
焦凍はさも当然だというように“予測してた”と告げてくる。
そりゃ焦凍もトップクラスだものね、それくらい考えてもらわなきゃ困る。
「方法があるから残ったんだ。勝己と二人で一致した最適解が」
でも多分、あと一人ここに来るはず。
そうなれば、よりこの方法は確実なものになる。
「あぁ。よく聞け半分野郎」
勝己が氷に穴を開ければそこから水が吹き出してくる。
その表面を焦凍が凍結、人が乗れるようにする。
そして勝己が迫り来る天井を爆破させていく。
その合間に私が勝己の手のひらを修復していけば水の勢いが落ちるまで上に上がり続けることが可能になる。
これが勝己の理想的な形。
「脱出方法はわかった。が、その水を噴射させる穴をお前の爆破でピンポイントで開けられるのか？」
「…いや、多分それは難しい。だから、もう1人」
私がそう言うのと同時に出久の“かっちゃん！轟くん！志賀さん！”という声が聞こえる。
焦凍が驚いたように私を見つめるのがわかった。
出久は誰よりもわかってる、爆豪勝己という男を。
だから絶対に来ると思った。それも勝己が何をしたいのかを理解した上で。
「僕が氷に穴をあける！！」
「「っ！」」
何も言わなくても全てを理解した出久に2人が息を飲んだのがわかった。
出久はそういうやつだ。
「言うと思った。私のこれで出久を拾うね」
「あぁ、A頼んだ」
出久が“SMASH！”と言いながら氷に穴を開けると、水が思い切り彼を襲った。
そして出久が水に飲まれ切る前に捕縛布で彼を拾う。
「志賀さん！ありがとう！」
「大丈夫！問題はここからだよ！！」
大声を出しながら勝己が1つ目の天井を爆破した。
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