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「いいよ。でも、勝己くんは解放して欲しい」
「嫌だよ。俺たちはこいつに選択肢を与えなきゃいけないんだ」
転にぃの言葉に多分何を言っても聞いてくれないんだろうな、とため息を吐いた。
「さて、妹よ。俺はお前に聞きたいことがあるんだ」
「なに？」
私はヒーローに拾われたお兄ちゃんでお兄ちゃんは敵に拾われた私。
どっちがどっちにもなり得た存在。
「どうして
その問いかけに思わず言葉を失った。
何故ヒーロー側にいるのか、多分それはお父さんへの恩返しが大きかったから。
別に敵でも良かったのかもしれない。
他人のために力を使えるようなヒーローになりたかった。
でもそれは確かに敵でもできることだ。
そして何よりどんな人も救えるのは敵も同様だ。
きっと敵連合とは今ある
「お前と俺は血を分けた兄弟なんだよ…だからお兄ちゃんに手を貸してくれないか？」
「…っ、手を貸すなんて…！」
「お前がいればついでに回復キャラも手に入るんだよ…！」
お兄ちゃんをぶん殴りたい。
でも今私は勝己くんを守らないといけない。
怒り狂って殺そうとする可能性だって否めない。
「…私はヒーローに拾われた。だからヒーローに恩返しするの」
「あぁそうだった。Aはヒーローに拾われたんだっけ。思い出したら聞きたいことがもうひとつ出来たよ。」
にやりと狂気的な笑みを浮かべる転にぃに背筋が凍った。
何を聞くつもりだろうと身構える。
「なぁA、ヒーローに拾われてどうだった？世界は何かかわったのか？？変わらないよなぁ？？？所詮ヒーローは救えないのだから！！」
「…私は、
私の返事を聞いた転にぃはつまらなそうに“チェ”と言った。
転にぃを助けたい、そう思ってるのになぜ分かってくれないのだろうか。
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