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「A、ここ少しでも直せるか？」
「無生物は直すのにそれほど体力消耗しないから。貸してみて」
私は焦凍と踏陰の前に立ちはだかる瓦礫に手を伸ばした。
そう、個性を使って、この崩落を私が元に戻す！！
メキメキと音を立てながら瓦礫を元の状態に戻していく。
「…この場にAがいた事が不幸中の幸いってところだな」
「…あぁ、正直この場に志賀がいれば百人力だろうな」
「踏陰と焦凍にここまで褒められちゃうなんて光栄ですねぇ」
少しずつ直していくけど、その量がエグくて私は一旦その手を離した。
「これ以上やったらもしけが人が出た時に私の個性が使えなくなるから」
「そうか。ならあとは俺達2人で力技だな」
焦凍がそう言って踏陰と2人で瓦礫を押す。
その時、恐らく焦凍の負荷に耐えられなくなった床にヒビが入った。
「しまっ───────」
「轟！」
それに同様したのか、踏陰からダークシャドウが出てくる。
最悪だ。この展開。
ダークシャドウが瓦礫の山を壊したのが見える。
もしこのまま人に当たったら。
とりあえず光、光…
「…っ！焦凍そこどいて！！」
私は腰から光線銃を取り出す。
完全に無力化することが出来なくても、これで少しは抑えられるような気がする。
太さ最大、出力は踏陰自身に影響のない程度で
「…A今だ！」
その言葉を言われた瞬間、私は焦凍を捕縛布で遠くに運ぶのと同時にダークシャドウの頭目掛けて光線銃をぶっぱなした。
「だめだ！それでは足りない！」
それでも日寄らないダークシャドウに私は思い切り飛んで避ける。
なんだ、この圧倒的な強さは。
どうしよう、考えろ、考えろ、考え───────
「ひぃん」
予備バッテリーがついたのか、電気がついたことによりダークシャドウは弱体化。
私たちは事なきを得た。
「…電源…勝己かな…」
「…あぁ、あいつの可能性がいちばん高い。」
全然細やかな所を見せないけど、実はものすごく細やかな勝己の可能性がいちばん高い。
「志賀、助かった」
「…いや、結局何の助けにもならなかった」
光線銃の出力を見誤った。
結果何も出来なかったんだ。
「…とりあえず進むぞ。結果オーライだ」
そう言った焦凍に頷き、私たちは前に進み始めた。
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