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そんな時、地面が思い切り揺れる。
「…っ！」
いくらフィジカルを強化しているとはいえ、さすがに突然襲ってくる揺れにヒールでは対応できない。
倒れることを覚悟すると、焦凍が私を支えてくれた。
「大丈夫か？」
「うん、何とか」
けど、床が崩れはじめる。
私は丈夫そうな鉄パイプに捕縛布を巻き付けた。
「焦凍！！踏陰が危ない！！」
「…っ！了解！！」
焦凍が踏陰に迫る頭上の瓦礫を氷結で凍らせる。
これで私達三人の安全は確保した。だけど、
「瓦礫だらけだ…」
私達の場所だけはたまたま大丈夫だけど、四方を瓦礫に塞がれている。
「今はとりあえず大人しくしてよう」
そこにいた2人に言うと彼らが頷くのが見えた。
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「…振動から約10分。余震がない所を見ると、さっきのは地震じゃなくて地下の崩壊だろうな」
「轟、志賀。感謝する。2人がいなければ俺は今頃瓦礫の下敷きになっていた。」
「…当たり前のことしただけ」
「あぁ、仲間を助けるのはヒーローとして当然だ。」
そんなことを言うなんて、本当に焦凍は変わったよね。
「何笑ってんだよ」
「いや、変わったなって」
当初の焦凍じゃ考えられなかったから。
ヒーローとしても人としても大きくなったなって思ったんだ。
これから焦凍くんはもっと大きな人になる。
「それにしても、電源が使えなくなったのは痛手だねぇ」
「あぁ、この暗闇の中ではダークシャドウの制御は難しい。万が一暴走でもしたら」
「更なる崩落が起きる、か」
こんな密閉された空間では焦凍くんの炎も出せない。
この空間内の酸素不足を招きかねないためだ。
「この状況での訓練続行は不可能だ。ここで待っていれば、先生方の救助が来るのではないか？」
「そうだな…確かにそうかもしれない。最もこの崩落が訓練に組み込まれていた可能性もある」
私はこの崩落、もともと仕組まれていたように思うんだ。
じゃなきゃ今頃相澤先生は助けに来てる。上がもっと騒がしいはずだ。
「…どちらにせよ、他のクラスメイトが心配だね」
「あぁ、この崩落で誰かが怪我をしているかもしれねぇ。みんなの無事を確かめないと」
「そうだな。その意見に全面的に賛成する」
そう言いながら立ち上がる二人に、さすがだなと思いながら私は前に立ちはだかる瓦礫の壁を見つめた。
私がぱぱっと直せちゃえは楽なんだけどな。なんて思いは胸にしまった。
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