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「私だってオールマイトを終わらせた人だよ」
「…そーかよ」
勝己くんは私にそう言うと、小さく息を吐いた。
その表情はあまり読み取れなくて、少しだけ悲しくなってしまう。
「Aちゃん片付け終わったー？？」
「っあ、お茶子ちゃん！まだだから開けないで！」
ドアの向こうにいるだろうお茶子ちゃんに声をあげると、彼女は“部屋見せ合いっこしてるから時間できたら来てな”と告げてくれた。
「勝己くんは行く？」
「行くかよかったりぃ」
それは彼らしくて、私は思わず笑ってしまった。
「私も、今日はいいかな」
なんとなく、今日は皆の顔を見たくなかった。
“寝るんか？”という勝己くんの言葉に首を横に振る。
「寝れないよ。みんなに申し訳なくて」
こんな、敵と血の繋がっているヒーローなんて、きっと気味が悪いだろうから。
だから、今日はみんなと顔を合わせたくない。
「ずっと引きこもってるつもりかよ」
「…っ」
そのつもりだった。ずっと引きこもってみんなが忘れた頃に登校しようと…
でも、そんなのは勝己くんが許してくれないんだろうな。
「そうだって言ったら殴り込みに来そうな勢いだね勝己くん」
「…逃げんのはテメェらしくねぇからな」
それはきっと、勝己くんの信頼を表す最大の言葉なんだろうな。
「俺はテメェを信頼してる」
「あ、ありがとう…」
彼らしくなくて、思わずじっと彼を見つめた。
彼も私をじっと見ている。
「俺が信頼するAはそんなクソナードみたいなことはしねぇ」
「…っ！」
これは彼なりの励ましなんだ。
そして彼は、私の過去こそ知らないけど、私のことを。
「…うん、そうだよね。勝己くんの信頼に応えないとね」
「そーだよ」
彼のニヤリとした笑顔に私も思わず微笑んでしまう。
「見ててよ。
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