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「で、結局付き合ったんだ」
「っ、声が大きいよ！！」
“へー、ふーん？ほぉ？？”なんて言う(人1)に息を吐いた。
なんなんだ。別にいいだろ。
「…だとしたら、気をつけないとね」
「うん、一応公人と付き合う以上、そういうのには完全に配慮するつもり」
「いや、そっちじゃなくて」
そっちじゃないとしたら…大学時代の話だろうか。
「…まさか。もう10年以上たってるよ？」
「うーん…なんて言うか、ちょっと嫌な予感がする」
人間、嫌な予感というのは大抵当たってしまう。
当たって欲しくない予感に限って当たるから不思議だ。
「…で、でも」
「江口さん？って人には伝えときな。話しな」
(人1)の真っ直ぐな目。
私はそれを見て、思わず口角を上げてしまった。
「何？」
「んーん。(人1)って私のこと大好きだよね」
私の言葉に“そっんなことないから！”と声を上げる彼女。
その頬も真っ赤で、説得力は無いに等しかった。
コイツも可愛いところあるよなぁなんて思いながら微笑んでしまう。
「…江口にはちゃんと言うつもりだよ」
それと、斉藤さんにも言わないと。
私の真剣な顔に、(人1)は軽く息を吐いた。
早く言いなよ、なんて思いを察しながら、私は目の前の飲み物に口をつけた。
「言えたら今度焼肉奢るよ、牛角で」
「あんたどうせもっと儲かってるんだから叙々苑にしてよ。医者でしょ」
「勤務医は大して儲からないんだわ」
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