第 二 十 話 。 ページ20
「崩れないか」
「崩れへんなあ、強情な子やわあ」
婚約者２人+αに四方をぐるりと囲まれてその真ん中にぺたんと座り込む美少女。枷の付けられた脚と胴は縄のような何かで縛られ、後ろに強制的に回させられた両手にはトッピングとばかりに手錠が嵌められている。彼女が動けば手錠と鎖がしゃらしゃらと告げ口をするように金属音を立てた。
男達に囲まれながらも憮然として態度を変えない少女はこの状況下で欠伸をした。それによって揺れたアッシュブラウンの髪が窓から差し込んだ陽光で頻りに輝いた。
酷く退屈そうに息が吸われる。
『そんで？本校の生徒会サマは私を立派なマゾにでも育て上げようとしてる訳？新しい扉とか開かせようとしちゃってんの？普通に引くわ』
そしてこの煽り具合。
血を思わせる赤い赤い目を爛々と光らせ、圧倒的人数の差を前にして怯むこと無く短く嘲った。明らかに格下の相手だと確信づいている笑顔で、彼女はたっぷり毒の入った言葉をあたかも花の名前を挙げていくかのような爽やかなテンションで投げ付けていく。その全てをもってして、人権をごっそりと抉り取っていく。
『あと最初から言ってるよね。私これから大事な大事な用事があるんだよ、あんたらの崇高な友情ごっこに関わってる暇は無いの』
そこから３秒の間を開けて、Aは艶やかに嗤う。
温度の下がった空気を笑い飛ばして、きつく縛られているとは思えないほどの呑気さでくすくすと口を開く。
『ごめんごめ〜ん、私生憎そういう素晴らしい友情にちっとも興味が無くてさ、見せ付けられてもちょっと困っちゃうんだよねえ。でも本気にしておいて欲しいな、正直今にも吐きそうなほど気色悪い。思春期ってそういうのあるよねー、黒歴史作ってるだけだよぉ？ああ、それともかな〜り本気でプッツンしちゃってる感じ？』
そいつは光栄だ。
そう嗤った少女は只々生徒会からすれば不気味で高潔でどぎつい脅威だった。
しかし、此処に居た少女以外の全員が悟ってしまう。
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めい - 好きです！次の更新待ってます！ (2020年4月7日 16時) (
レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - 成程なあ！では、是非ともチートな夢主ちゃんに戦って欲しいと思う今日この頃 (2020年3月28日 1時) (レス) id: 51569e5e24 (このIDを非表示/違反報告)
めく - パワーワードが飛び交ってなかなかカオスな状態で、独特な雰囲気が面白いです。素敵な作品に出会えました、応援しています！ (2020年3月27日 12時) (レス) id: e1cc390d07 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅 - ……………とにかくすごいです。こうしんがんばってください(語弊力なさすぎわろた) (2020年3月25日 17時) (レス) id: f8a96c7e7b (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - なにこの作品、、、神かよ！！これ読んだ後なら、スカイツリー5秒どころじゃなくて一瞬で建てられますよ←、これからも更新無理しない程度に頑張ってください！(p.sこの話が本当ならば貴方が更新するごとにどっかにスカイツリーが一つ立つことになりますね(笑)) (2020年3月24日 1時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺月ナズナ | 作成日時：2020年3月18日 11時
