第 十 一 話 。 ページ11
漸く降り終わり、ふぅ、と一息つく。
目の前にある昇降口のすぐ横には何かの葉をモチーフにしたレリーフや何かの女神の銅像が異様な存在感を放ちながら佇んでいる。
その奥に聳え立つ校舎であろう建物は、人に物を教えるのであればそんな設備要らんだろと思わせるほどの大きさで正直引いた。前世で最寄りのコンビニの位置さえもまともに把握せずにフィーリングで辿り着いていた私がこの建物の全てを把握出来るとでも思っているのだろうか。無理だろ。
フィーリングで解決するスケールではない。
これだともう屋上でわいわい麻雀やったり単位を取らずに喧嘩売ってきた奴を正当防衛(物理)で追い返したりという楽しいイベントも全て潰れてしまうだろう。まず屋上に辿り着けない。
「進まないのか？後が詰まっているぞ」
『は？』
突如後ろから声を掛けられて肩を大袈裟に震わせた。弾かれたように後ろを見れば怪訝そうな顔で此方を見るグルッペンなんちゃら。ウィズその陰に隠れたメンヘラ。
何で此処に居るの？え？学校違うよね？普通そういう雰囲気なら男子校行くよね？女の子とデート♡みたいな話題は異性に飢えてる男子校でしか出ねえぞ？共学でそんな話題出されたらドン引かれて私にタコ殴りにされて終わるぞ？そんなん凄い権力があってでもないと────────。
あっ権力あったわ。
『分かってます』
ずんずんと足早に進んでいく。あーあ、敬遠してきた校舎がすぐ目の前に。入りたくないな、入りたくないなと念を込めるも案の定何か変わるわけでもなく終わった。ですよね。
そうかあ、同じ高校なんですね婚約者と。どういう反応して付き合って行けば良いのでしょう。私困っちゃう、もう何かしら殴り倒したいッ☆
そしてずっとスルーしていた後ろからの黄色い歓声。おーいお前らキャーが少ないぞーなんて煽れないほどの大音量。特にグルなんちゃらと鬱がリムジンから姿を現したときにトーンは色を持った。
あ〜私もあんな歓声欲しいな〜、とは思わないけれども耳に入ってくる男子の野太い歓声はあまり貰っても良い気持ちのするものではない。何か皆様欲望に塗れている気がする。思春期の気の迷いね、万死。
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めい - 好きです！次の更新待ってます！ (2020年4月7日 16時) (
レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - 成程なあ！では、是非ともチートな夢主ちゃんに戦って欲しいと思う今日この頃 (2020年3月28日 1時) (レス) id: 51569e5e24 (このIDを非表示/違反報告)
めく - パワーワードが飛び交ってなかなかカオスな状態で、独特な雰囲気が面白いです。素敵な作品に出会えました、応援しています！ (2020年3月27日 12時) (レス) id: e1cc390d07 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅 - ……………とにかくすごいです。こうしんがんばってください(語弊力なさすぎわろた) (2020年3月25日 17時) (レス) id: f8a96c7e7b (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - なにこの作品、、、神かよ！！これ読んだ後なら、スカイツリー5秒どころじゃなくて一瞬で建てられますよ←、これからも更新無理しない程度に頑張ってください！(p.sこの話が本当ならば貴方が更新するごとにどっかにスカイツリーが一つ立つことになりますね(笑)) (2020年3月24日 1時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺月ナズナ | 作成日時：2020年3月18日 11時
