11話『消える火の花』(上) ページ40
セットでついていた下駄を履き、慣れていない履き物に苦戦し歩き方がぎこちなくなる。
リト｢意外と…歩きづらいなー…｣
レイ｢そうだな｣
リト｢でも、夏の風物詩って感じでこういうのも悪くないね！｣
レイ｢…まあな笑｣
そう2人は、｢祭りがある｣と聞いた神社の前まで来た。
レイはチャットでミカに向けて
［着いたけど。］
と送信した。するとすぐに
［分かった！あたしらももうすぐ着くから待ってて！］
と返ってきた。
レイ｢ここで待て、ってさ。｣
リト｢分かった！｣
門の前で2人が待機していると5分も経たないうちに
｢お待たせー！｣
とミカの声が聞こえてきた。
俯いていた顔をあげ、2人はミカの声がした方を見た。
すると、慣れない下駄でヨタヨタしながら走ってくるミカとコハクがいた。
リト｢おー！2人とも似合ってるね！｣
ミカ｢リトくんもレイくんも似合ってるよー！｣
ミカは白をベースにしたオレンジ色の花が舞っている柄。
コハクは黒っぽい紺色をベースにしたピンクや赤色の花柄だった。
2人とも片耳の上に髪飾りをつけていた。
ミカ｢さっそく皆でまわろうよー！｣
ミカはコハクの手を取ってそう言った。
その祭りはたくさんのイカやクラゲでいっぱいだった。
道並みには赤い提灯が道を照らしながら静かに揺れている。
大きな祭りとだけあって、かき氷、綿飴、ヨーヨーなど、店も隙間なく並んでいる。
リト｢どこに行こうか？｣
ミカ｢お腹すいたー！｣
レイ｢あそこに焼きそばとかあるけど｣
リトは黒寄りの灰色をベースにした浴衣、
レイは青寄りの紺色をベースにした黒のストライプが入った浴衣を着ていた。
ミカ｢あ、待って！綿飴食べたい！｣
とミカが綿飴が売っている店を見つけた途端走り出した。
ミカを追いかける3人。
ミカ｢あまーい！｣
レイ｢急に走り出すなよ…びっくりするだろ？｣
ミカはさっそく顔より大きな綿飴を買って嬉しそうに食べていた。
ミカ｢ん？レイくん一口いる？｣
レイ｢…いや、別にいい｣
ミカ｢リトくんはー？｣
リト｢あ、じゃあもらうー！｣
リトはミカの持っている綿飴をつまんで食べた。
リト｢美味しい…！｣
ミカ｢だよねー！ハクちゃんはー？｣
コハク｢あ…！大丈夫です！｣
何か考えていたようなコハクが急に名前を呼ばれてびっくりしている様に見えた。
レイ｢…ん、あそこに射的がある｣
ミカ｢え！？本当！？やるやるー！｣
11話『消える火の花』(中)→←10話『初夏の思い出』(下)
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作者名：こっこ@amuse | 作成日時：2019年6月17日 7時
