1話『甘い笑顔』(上) ページ3
今日から住むことになった新居に足を踏み入れ、深く深呼吸するボーイのイカ。
レイ「…ふぅ」
大きいリュックを下ろし、そこから服や色々故郷から持ってきたものを次々と出していく。
このイカはレイン。元はレインだが、略してレイと呼ばれる。小さい頃からバトルをするのが好きだったレイは、ここ軟体動物世界で1番バトルが盛んであるハイカラスクエアに憧れた。
やっとお金も貯まり、親の了承を得られるような年齢になってから引っ越すことになった。
親はしっかり者で、もう引越し業者に頼んですぐ生活できるように、部屋には冷蔵庫や洗濯機も置いてあった。
リュックの中身を全て取り出し、ゆっくり背伸びをしたレイは
レイ「さっそく、ビルのロビーに入ってナワバリバトルの申請でもしてくるか」
ハイカラシティーでずっと相棒として使い続けてきたパーマネント・パブロを担ぎ、部屋を後にした。
ーーーーー
歩いて約8分。ハイカラスクエアに着いたレイは、ロビーにさっそく足を踏み入れようとすると、
?「ちょっと待つでし!」
レイ「えっ?」
振り返るとそこにはハイカラシティーにもいたようなカブトガニのブキチがいた。
レイ「…似てんな…」
ブキチ「なににでしか?」
レイ「いや、なんでもない」
ブキチ「それより、そのパブロはなんでしか!」
レイ「えっ?これはハイカラシティーから持ってきたんだよ」
ブキチ「そのブキはハイカラシティーにしか売ってないでし…ここハイカラスクエアでは使用禁止ブキでし!」
レイ「…はぁ!?」
ブキチ「ここではまだそのモデルは売ってないでしから、使っちゃダメでし」
レイ「……まじかよ」
そのブキしか持ってなかったレイは困り果てた。
ブキチ「せっかくならブキを買っていくでし!」
ブキチに連れられたレイはブキが売っている店に立ち寄った。
レイ「…俺パブロとスピナーくらいしか使わねえな…」
と言いながら所持金ギリギリでスプラスピナーを購入。
ブキチに見送られ、やっとのことでロビーに入ったレイはさっそく練習がてらナワバリバトルに申請をしに行った。
レイ「さすがハイカラスクエアだな。イカが多い。」
募集人数も多いため、昼夜問わずイカ同士がバトルを盛んに行っている。
レイ「…決まった。」
申請したレイの名前がスクリーンに映し出され他の7人もすぐに埋まる。
レイ「よし、行ってくるか」
新品のスプラスピナーを担いで、駆け足でスタート地点へ。
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作者名:こっこ@amuse | 作成日時:2019年6月17日 7時