お兄ちゃんをシスコンにしたい。

いいところさん ページ5

兄視点




最近入学した野薔薇と悠仁、恵の新1年生の情報が纏められた史料を机の上に並べた。



今年の1年生もなかなか個性が強くて、期待できる者だらけで嬉しい。




悠仁は特に異例な存在だ。




そういえば、異例な存在で思い出した、五条家の異例(馬鹿な妹)。



彼女も今年うちに入学だった。訳ありな生徒が多いから、入学時期がそれぞれズレる事はよくある事だし、それにしても、この僕でさえ手を焼く年の離れた妹。




五条の人間には会いたくはないが、五条の人間で唯一許せる妹を迎えに京都まで行くかと思い、席を立った瞬間、職員室に付けられた木製の重い扉がバンっっつつと壊れるんじゃないかと疑う程の勢いで開いた。






｢お兄ちゃんっ！！！！！！！！｣



｢、、、くるしい、、、、｣




そういえば今日の正座占いは最下位だったな。



手に持っていたらしきキャリーバッグは勢いよく飛んでいき、近くにいた伊地知にクリーンヒット。投げ出した本人は絞め殺す勢いで抱きついてきている。





｢お兄ちゃん寂しくなかった？寂しかったよね。最愛の妹に会えないとか辛すぎたよねごめんねでも私ももう中学校卒業して高専に入学だよこれからはずっと一緒だねだいすきだいすきお兄ちゃんいい匂いするなにこれ香水？は？香水とかなにそれえっちい色気づいてんの？は？女？ねぇ私の知らないところでおんなつくんないで結婚とか許さないからね家とか建てるなら私も住むからもちろんベッドはわたしと一緒らぶらぶしようね｣




｢ながい｣



久しぶりの再開はこうなることは予想していたが、前回会った時から残念なほど変わっていなくて1周まわって安心した。



何言ってるかわかんないし、聞く気にもならないけどとりあえずうざいから無限はって、弾き飛ばしたけど。

いいところよん→←いいところに

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す