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3話



Aは和傘を差しながら街にでていた。






「(あの子じゃない、、、。)」





ふらふらと誰かを探している素振りをしていると、あまり背の高くないAの前に大柄な連中が立ち塞がった。






「姉ちゃん、ちょっくらいいか?随分なべっぴんさんに見受けられるが、一緒に来てはくれないかねぇ?」



羽織で刀を隠しているため、剣士に見えなかったのだろう。


大方、この柄の悪い連中は人商人の類いだ。


若い女を中心に攫って、遊郭などに売りつけ儲けを得るなんとも、醜い輩なのだろうか。





「ああ"ん?!来いって行ってんだろうがよおっ!!!!!」



颯爽とその場を通り過ぎようとするAに、人商人たちは怒りを露わにして、Aに手を伸ばす。



その瞬間その手が、思いっきり何者かによって地面に叩き付けられた。








「人のものに勝手に手を出さないで。」



ドスの効いた低い声と、視線に怯え人商人は小さく悲鳴をあげて、逃げていく。








「むい。」


その犯人は、無一郎であった。
Aが名前を呼ぶと、「いくよ」と声をかけ手を引いて街中へ進んでいく。








「A、こんな昼間に何をしていたの。和傘まで差して出掛けるなんて、何か用?」


先程のことにまだ怒りが治まらないのか、いつもより早口だった。




「いえ、なんにもないわ。ただの気分転換よ」




Aの言葉に腑が落ちない様子で、「ふーん」と答え、繋がった手に少し力を込めた。





「折角のお休みなんだもの。一緒に回りましょう。」





Aの表情がほんの少しだけ柔らかくなると、無一郎の目が僅かに見開き、歩を進めた。

か→←い



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ひな - すごく綺麗な文章ですね、惚れ惚れしちゃいます!あと、9ページの、蜜璃ちゃんの「時透さんっ!!他の柱を呼んだわ!!!〜以下略」とありますが、原作では「時透さん」ではなく、「時透くん」と呼んでいた気がします!間違っていたらすいません! (2021年7月19日 19時) (レス) id: 31fda6eacc (このIDを非表示/違反報告)
Spica(プロフ) - にゃさん» お褒め頂きありがとうございます。綺麗な読みやすい文章を心がけているので、そう仰って頂けてとても嬉しいです。がんばります! (2019年10月12日 20時) (レス) id: 96b0a1e7e5 (このIDを非表示/違反報告)
にゃ(プロフ) - 少し切なくてとても綺麗な文章だと思います!更新楽しみにしています! (2019年10月12日 19時) (レス) id: 2a13604db8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Spica | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月12日 12時

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