占ツクに宗教が出来上がったらしい(解体)

ふたたび ページ42

ブログ騒ぎは、てんしさんが記事を消したことでそこまで広がらなかった。

翌日女子Bちゃんにもこの話をするも、スレを見てブログ晒しを知った時には、もう記事は消えていたという。

スレではそうはいかなかった。この一件は根強く、話題に出され続けていた。


この日の夜、私はチラチラ騒動を追いながら、自身の小説を更新していた。

そこに突如、電話の音が鳴り響く。

意にも介さずキーボードを打ち続けていたが、電話に出たお母さんが「女子Bちゃんですって」と言ったので、渡された子機を持ってリビングを出る。

「もしもし女子Bちゃ……」

『Aちゃん！！占ツクみた！？大変なことになってる！』

尋常ではない声。私は何事かと問いかけると、電話越しに女子Bちゃんは躊躇うように零す。

「閲覧者Aさんが……『パクリ騒動』の話題を蒸し返してきて……Aちゃんの名前が晒されてるの……」

……一瞬、理解が及ばなかった。
私は急いでパソコンに戻る。

一体、どうして、あの騒動が……！

私は女子Bちゃんに言われた閲覧者Aさんのホムペや、晒し上げスレを見に行った。
でもこの時はまだ、嫌な汗が流れつつも、前の消えた騒動だから大事にはならないだろうと、……思っていた。


閲覧者Aさんのホムペには、「前にてんしさんの作品をパクったAってユーザーは大して叩かれなかったのに」という内容が書かれていた。

初めこそコメ欄やスレでは、「そんな前のこと言ってどうするんだよ」「これだから信者は」という流れだったものの……。


『いや、パクリは流石にまずいんでねーの』


『126 匿名 : あの騒ぎ、てんし信者やべーって流れで終わったけど、確かにあれはパクリだったww』


『127 匿名: てんし信者火消し必死wwでもAとかいう作者もやばいな』


『128 匿名 : あれ、てんしがパクリだと思ってた……』


『パクリはだめだろこの件はてんしに同情する』


『130 匿名 : パクリがのうのうと活動してるとかキモすぎやろ。てんしと一緒にﾀﾋんでくれ』


なんで……どうして今更、議論が巻き起こるの？パクリなんて、していない。

私は震える身体を抑えながら、逸らされる話題を、何かに祈る気持ちで追い続けた。

こんな、こんな話題。すぐに消えるはず……。

そのころ 14→←かなしさ 3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す