Line３：甘い物はお好き？【暁 side】 ページ6
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「暁！甘味探しに行こうぜ！可愛い女の子に声かけてさ！」
『そんなこと言って。緋連、この前だってそうやって誘った子の中で一番かわいい子連れて先に帰ったくせに……」
―――あの後、他の女の子帰すの大変だったんだぞ？！
湧き上がる記憶に頭を抱える暁を他所に、「だったらオマエも持ち帰ればいいだろ」と軽いノリで返す緋連。
悪びれる様子のない彼の態度は毎度の事であり、暁は返す言葉を失う。
休日の午後、親友でバディでもある良夜 緋連の誘いを受け、街を歩く暁。
彼とは同じ秋魔法の使い手で、こうしてともに出かける事は珍しくなかった。
「あーそうか、オマエ、彼女いるんだっけ？」
―――お持ち帰りなんてしてっと、妬かれちゃうか！
へらへらと笑いながらも、周囲を見渡す緋連の瞳は本気のようだ。
可愛い女の子はいないかと、見渡す姿は狩人のよう。
とは言え、彼は物色しているだけで、実際の所街を歩くだけで周囲の女性の視線を集めている。
彼が”隙”を見せたなら、女性の方から声をかけられるのも時間の問題だろう。
『―――……」
(むしろ、夏姫さんにはちょっとくらい、妬いて欲しいんだけど……)
長い薄花色の髪をリボンで結い伊達メガネを胸ポケットに片付けながら、緋連の後ろをついて歩く暁の深いため息に、振り向いた緋蓮は目をしばたたかせた。
「え？何？今日は暁も”お持ち帰り”する気？」
『それはしない。でも―――ナンパと甘味は付き合うから、さっさと好みを引っ掛けろ』
「はぁい〜！」
その甘いマスクで微笑んだ緋連に、女性達が声をかけてきたのは数秒後で
彼女達のお薦めというカフェで珍しく美味しいと思えるケーキを口にするまでに、時間はかからなかった。
(―――ここは、アタリだな。今度夏姫さん誘ってみよ♪)
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この後。やはり一番可愛い女の子を連れて先に帰ってしまった緋連。
残りの女の子の機嫌を損ねぬよう上手く言い回して帰らせる”後始末”をするのは、戦闘でもナンパでも暁の役回りのようだ……
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緋連さん、お借りしました♪
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作者名：しゃっぽ・kohaku | 作者ホームページ：なし
作成日時：2021年12月5日 9時
