不思議の国のお姫様（男）

幸せ三つ ページ9

シートベルトを外し車を降りると、既に到着していたヒップホップチームが近付いてくる。

「ミユ〜！」

「ミンギュヒョン！」

僕の名前を呼んだミンギュヒョンを視界に入れると同時にたたたと走り出し勢いよく抱きつく。

「ヒョン〜！おはよ〜！」

「ウリミユ〜！おはよう！」

抱きつくとそのままかかえられて他のメンバーのところに連れていかれる。

「ミユ、またミンギュに抱えられてんの？」

いつも通りの光景、だという風に何ともないように聞いてくるウォヌヒョン。
その横にはスマホに目を向けながら大きな欠伸をするボノニヒョンが立っている。

「ウォヌヒョンもボノニヒョンもおはよう！ミンギュヒョンに抱き着いたら何故かだっこされちゃった。」

「ん、おはよう。」

挨拶をしながらミンギュヒョンからおりて周りを見渡す。
後ろで壁に寄りかかったままメンバーを待っているクプスヒョンを見つけて駆け寄る。

「クプスヒョン！おはよ！」

声をかけると、クプスヒョンは腕を広げて僕を抱きしめる。

「ミユ、おはよう。今日もお前はかわいいな〜？」

頭を撫でながら褒めてくれるヒョンに嬉しくなって思わず笑みを浮かべた。

「ふふん、そうでしょ？ボカチのヒョン達はまだ着いてないの？」

「そうらしい。さっきジョンハナに連絡したら“なんでか知らないけど今日全ての赤信号に引っかかるんだけど！？”って。」

「うわぁ…今日ついてないんだね。」

ご愁傷さま…と心の中で手を合わせておく。

「あいつら来るまでもう少しかかりそうだし、先に楽屋行っておこうか。おーい！楽屋移動するぞ！」

駐車場でわいわい騒いでいたメンバーに呼びかけて、建物の中へ入っていった。

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