孤独なサモナー[6] (ページ25)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:20,446 hit

Log340 ページ25

引っかかっているのは、ギルドへの加入を断ったからだけではない。

自分はあのとき何故断ったのか？
自分は【ソウジロウを断った】訳ではないと私はは思う。

【ギルドと云う束縛】を断ったのだ。

その自分が今、かたや〈三日月同盟(みかづきどうめい)〉というギルドを助けようとススキノまで赴き、大手ギルドが無言の支配力を強めるアキバの街に苛立ちを覚え、その状況を変えるために今度はソウジロウのギルド〈西風の旅団(にしかぜのりょだん)〉の力を借りようとしている。

時が流れてシロエも私も変わった。
ただ潔癖で、ギルドと云う関係を毛嫌いしていた時とはすでに違う。

でもただ「違う」と否定形で定義したとして、自分の今の気持ちをソウジロウに伝えられるとは思えない。

もしかしたら〈放蕩者の茶会(デボー・チェリー・ティーパーティ)〉を失った直後に〈西風の旅団(にしかぜのりょだん)〉を立ち上げたソウジロウは、シロエよりも私よりもずっと色んな事が判っていたのかも知れない、とも思う。

ソウジロウが立ち上げたギルドは〈西風の旅団(にしかぜのりょだん)〉

決して大きくはないが、このアキバの街で大きな影響力を持つギルドのひとつである。
メンバー数は公称約120名。

しかしその実体は60名を割り込むと云われ、その小人数でアキバの街の名だたる大手ギルド、〈Ｄ．Ｄ．Ｄ〉や〈黒剣騎士団(こっけんきしだん)〉、〈ホネスティ〉と渡り合ってきた。

★☆★
2019/11/08