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Log221 ページ25

散々にこき下ろされたシロエと云えば、ずり落ちかけた眼鏡を修正して。


シロエ「僕の黒さなんて自覚してるだけ子供だましも良いところです。
マリ姐の天然には敵いません。
疲れ切ってるメンバーだってあんな笑顔で励まされたらもう一働きってなるじゃないですか。
マリ姐に褒めてもらうためだったら、ゾンビだって生き返ってご奉公しそうです。」


と真顔で云った。
かなり本気だ。

とにかく、そんな三人の立てたスケジュールにより、アカツキや直継、班長はもとより〈三日月同盟(みかづきどうめい)〉の全員はへとへとになるまでこき使われた。

それはもちろん私もである。

経験の薄い同盟ギルドメンバーにしてみれば、この時点で「死線」である。

それぞれの叱咤激励によりゾンビの如く復活させられた計画参加者達は、すべての用意を終えて計画開始の朝を迎える。

その朝。


徐々に日の出は早くなり気温は増して行く夏の始まりのアキバの街の三か所に、派手ではあるが多少安っぽい仮設店舗は出現した。

竹を適当に切って木材と結び会わせた支柱。

日よけの帆布でつくられた大規模な天幕は、催し物かバザーの会場のようで、鮮やかな飾り布が揺れている。

どうやら二頭立ての馬車を改造したとおぼしき中央の台と、これだけは立派な木製のカウンター。

立地によって多少は違うが、それぞれ風にたなびくのぼりには〈軽食販売クレセントムーン〉と鮮やかに記してある。

いまのアキバにおいて、軽食屋や食事処ほど寂しい商売も珍しい。

何と言っても全ての食料は同じ味しかしないのだ。

〈エルダー・テイル〉のゲーム時代の設定にそって、ノンプレイヤーキャラクターが経営する飲み屋や酒場は存在する。

また宿屋で食事を提供するところも多い。

しかし、それらの場所でとる食料は、全て同じ味なのだ。
安い豆粥だろうが、最高級のローストチキンだろうが、全て味気ない「湿気た煎餅」でしかない。

脂っ気が無く、湿っているにもかかわらずもそもそとしたその味は、妙に飲み込みにくく、食べ続けるほどに気が滅入ってくる。

飲料もそうだ。
何を頼もうと、色合いこそ様々だが、匂いも味も井戸水そのものでしかない。

唯一の違いはアルコール飲料だが、こちらも味はまったく同じ。

アルコール特有の喉を焼く感覚すらもなく、ただ唐突に酩酊だけがやってくる。

そんな状況で、酒場や食堂に通う人間など居ない。

☆★☆
2019/11/01

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設定タグ:ログ・ホライズン , エルダー・テイル   
作品ジャンル:アニメ
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豆乳ココア(プロフ) - レナナミル♪さん» 読んで頂きありがとうございます。私もログホライズンが好きでアニメも何度も見返す程です。更新も頑張ります! (2019年10月29日 9時) (レス) id: 4ab63936da (このIDを非表示/違反報告)
レナナミル♪(プロフ) - 初めまして!私ログ・ホライズンが好きなのですが最近更新してるのがこの、孤独なサモナーだけでよく見てます!ちなみに私はソウジロウ推しでこの夢小説でも沢山出てきてくれたら嬉しいって思ってます!長くなってしまいましたがこれからも応援してます! (2019年10月29日 4時) (レス) id: aefdd45bb5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2019年10月28日 0時

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