Log196 ミノリside ページ49
自分に言い聞かせるような、まるで他人のような自分の胸の声。
開きかけた願いの扉を閉じるように、私は咳払いを、小さくひとつだけする。
――大丈夫です、と。
シロエ「ほんとに?」
シロエさんが再び尋ねる。
その声は優しくて、私は一緒に遊んだ頃を思いだしてしまう。
トウヤが敵に突っかけて、自分がそれをフォローするために走り込み、その不用意な動きがかえって敵の増援を呼び寄せてしまった時のことを。
シロエさんが眠りの呪文で増援を寝かしている間にトウヤが必死で戦い、自分はみんなの回復をして回る。
敵は多くてHPはいつも赤く染まった表示。
てんてこ舞いでMPは尽き果てて、もうダメだ、全滅だ!
と何度も思いながらも、最後にはへとへとになって三人で生き残った。
レベル90といえば、〈エルダー・テイル〉では最高峰だと聞く。
死んでしまえば、ペナルティとして経験点が下がってしまうと云うのに、たかが10レベル前後の自分たちに付き合わせて生死の間際を彷徨わせてしまった。
それが情けなくて、申し訳なくて必死に謝って、トウヤの頭もげんこつで叩いて謝らせた。
☆★☆
2019/10/28
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ハカタ(プロフ) - 更新待ってます!本当に楽しかったですw (2018年11月25日 22時) (レス) id: 05436ab3ab (このIDを非表示/違反報告)
里夜(プロフ) - sakuraさん» sakuraさん:ありがとうございます。頑張ります!! (2018年6月9日 12時) (レス) id: 197e7505f2 (このIDを非表示/違反報告)
sakura(プロフ) - 楽しく読ませていただきました これからも読ませていただきます 更新がんばってください (2018年6月8日 21時) (レス) id: f15ebf0ca9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2018年3月6日 16時