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シロエはうつむいた。
胸の中の黒い海のような固まりが轟々と音を立ててうねるのだろう。
どこにも行き場のない感情が、押し殺した蓋の下で暴れて、あふれ出そうになるはずだ。
夏の虫の音と、静かな水の音。
後は白々とした月明かりの中で、シロエは棒のように立ち尽くしたまま、拳をぎゅっと握りしめて、必死に押さえつけている。
期待してくれていた。
買ってくれていた。
待っていてくれた。
色んな事を考えて分析して悩んできたつもりの自分が、何でそんな事も判らなかったのかと。
あるいはそれほどまでに血の巡りが悪いのかと。
考えている様だ。
自分に対する不信感と劣等感は堤防のように高いにもかかわらず、嬉しさが親しさが信頼が冷たく凍えたくびきを洗い流して行く。
そしてシロエは…。
シロエ「間に合うかな。」
にゃん太「もちろんにゃ。」
シロエ「にゃん太班長。
にゃん太班長も、僕のトコに来て。
……班長が一緒に来てくれると、嬉しい。
班長が居ないと、困る。」
シロエは班長を見つめて誘った。
班長は照れたように笑うと。
にゃん太「良い縁側が欲しいにゃ」
と云った。
シロエ「うん。
僕と僕たちが作るから。
良い縁側も、用意するよ。」
シロエは頷いた。
☆★☆
2019/10/28
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ハカタ(プロフ) - 更新待ってます!本当に楽しかったですw (2018年11月25日 22時) (レス) id: 05436ab3ab (このIDを非表示/違反報告)
里夜(プロフ) - sakuraさん» sakuraさん:ありがとうございます。頑張ります!! (2018年6月9日 12時) (レス) id: 197e7505f2 (このIDを非表示/違反報告)
sakura(プロフ) - 楽しく読ませていただきました これからも読ませていただきます 更新がんばってください (2018年6月8日 21時) (レス) id: f15ebf0ca9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2018年3月6日 16時