Log85 ページ37
一歩一歩、歩く度に周囲の緊張感が高まる。
背後でススキノの街へと続くゲートは遠ざかって行き、〈ブリガンティア〉の輪はじわじわと狭まってくる。
シロエ「ここらで良いでしょう。」
シロエは呟くと、大声を張り上げる。
シロエ「〈ブリガンティア〉のデミクァスさんってのはどなたですかっ〜?」
その言葉に周囲のプレイヤー達がざわめく。
まさかそこまで明白に挑戦をしてくるとは思わなかったのだ。
にゃん太「やあやあ。
シロエち。
そんな大声を出してものを尋ねるのは失礼なのにゃー。
我が輩が知っているにゃ、あそこにいる大男にゃ。
おーい、デミクァス〜。」
班長の声に引かれるように出てきた逞しい男こそ、〈ブリガンティア〉のリーダー、デミクァスだった。
逞しい筋肉のついた身体をレザーを主体にした軽装の防具が覆っている。
両手に装備しているのは、虎の爪を模した格闘武器。
本来同じポリゴンモデルから作ったのだろうから、この男も十分にハンサムになるはずだったろうに、その卑しい表情が内面を表している。
デミクァス「セララの周りを飛び回っていたのはお前達3人っていうわけか。」
にゃん太「我が輩だけなのにゃ。
それから1人じゃなく、1匹なのにゃん。」
班長はあくまでマイペースで指摘する。
台詞の内容とは裏腹に、声だけは大人の落ち着いた、渋い美声なのだからやる気をそがれることおびただしい。
しかし続く言葉は辛辣だった。
★☆★
2018.02.05
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2018年1月30日 0時