Log66 シロエside ページ18
[やっぱ冒険って云うのは初体験って訳よ。
もうね、どきどきわくわくでガクブルジョーってなもんよ。
え?なに?漏らすな?
漏らしたって良いのよ楽しいんだから。
楽しくないの?
楽しいでしょう。
だってこんなにすごいもん見れたんだもん、丸儲けよね!はははははっ!!]
〈彼女〉の台詞を思い出す。
無闇に自信満々で、根拠なんて無いくせに確信に満ちていて、思いつきとハッタリと勢いだけの発言で構成されていた〈彼女〉。
それでいていつでも正解が判っていた〈彼女〉。
〈彼女〉だったならば、この景色もきっと勲章として胸に飾っただろう。
シロエ「僕たちが初めてだよ。」
だから僕はその気持ちのままに、3人に声をかけた。
シロエ「僕たちがこの景色を見る、この異世界で最初の冒険者だ。」
僕は自分で意識して初めて異世界だと言い切った。
どんな小理屈よりも明確に、眼前の圧倒的な自然は伝えている。
こんな景色は、ゲームなんかでは見られない。
こざかしいVRではありえない、夜明けの風と、冷たい空気と、木々を渡るかすかな音と、ミリ秒単位で変わっていく夜明けの光景。
この世界へとやってきて、周囲の全員がパニックになっていたときも、目的を見失って治安を悪化させるプレイヤーが居たときも、僕はどこかで落ち着いていた。
しっくり来ていた、と云っても良い。
☆★☆
2018.02.04
39人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:豆乳ココア | 作成日時:2018年1月30日 0時